大谷翔平の投球スタイルは2023年から変化したのか? 真中満と五十嵐亮太が考察する
真中満×五十嵐亮太(第2回)後編
6月16日(現地時間)、約2年ぶりにマウンドに戻ってきた大谷翔平の投球スタイルについて、ヤクルトスワローズOBの真中満さんと五十嵐亮太さんが分析。手術後のケガのリスクについても語った。
手術後の肘に負担のかからない投げ方について話す真中満さんと五十嵐亮太さんこの記事に関連する写真を見る
【手術後にケガのリスクはある?】
――メジャーリーグで大谷翔平選手が投手に復帰しましたが、手術後に球種を増やすとケガのリスクは高まりますか?
真中満さん(以下、真中)手術後に球種を増やすってそんなにリスクなの?
五十嵐亮太さん(以下、五十嵐)リスクはそんな高くないと思うんです。ただ、大谷選手がキャンプの時に、リリースポイントがけっこう高かったんですよ。高くすることによって、多少の肘の負担を減らすとか、そのフォームで投げると変化球の軌道も変わってくる。そっちのほうが負担がかかりにくいよなとか、あとは新しい自分のピッチングスタイルっていうのを模索しつつ、最初はやってたと思うんですよ。
実際にライブBP(シート打撃)とかを経て最初の試合で、リリースのポイントとか、エクステンションとかも含めて(見たら)、大谷選手のフォームが2023年と一緒だったんです。本人がそうしようと思ってしたのか、それともそうなっちゃったのか、これわからないんですけど。でも、2023年ってスイーパーを投げ始めてから肘が落ちたんですよ。
真中 下げた方が曲がりやすくなるもんね。
五十嵐 そうなんです。だから、バッターを抑えようと思った時に、2023年に自分が抑えてたイメージとか軌動で、そうしなきゃいけないって体がなっちゃうのかなって思うんですよね。
真中 五十嵐のなかで、2023年のフォームは肘が下がるからあんまり好ましくないと思ってる?
五十嵐 同じように投げていたら同じようにケガをする可能性が高い。だから、僕は多少フォームを変えてくると思ったんだけど、変わってないんですよ。じゃあフォームが変わらないんだったら、まっすぐとスイーパー、このふたつで抑えたピッチャーだから、それプラス他のボールをどうするかが大事なんですよ。そうじゃないと、2023年と同じような感じになっちゃうじゃないですか。
負担が大きいしケガをする確率が高くなってしまうから、そこをどうするかってなった時にシンカーが出てきたわけですよ。大谷選手のシンカーは曲がり幅が大きいし速いので、ゴロを打たせることができるし、うまくいけば空振りも取れるぐらいの変化量なんですよ。これが2023年からの大谷選手の変化なんだと思ったんです。
1試合目でザンダー・ボガーツ選手を3球で打ち取ってるんですよ。追い込んでからインコースにちょっと食い込むシンカーで、サードゴロを打たせてる。こういう球数を少なくして抑えるパターンと、ここぞっていう時はスイーパーとストレートで三振を取りにいくパターン。このバランスが大事って思ったら(復帰後)2試合目シンカー投げなかったんですよ。
ストレートとスイーパーで三振がふたつ取れたの。これはすごくよかったと思うんですよ。三振を取るパワーピッチャーだから三振を取れないってやっぱり引っかかるんですよ。スイーパーとストレートで抑えてちょっとカットボールを3球投げたんです。全体のパーセンテージで言ったら1%か2%に満たないぐらいのカットボールですよ。
たぶん、2023年もそれくらいのカットボールを投げてるはず。そう考えたらもう2023年と全部一緒になっちゃうんです。スタイル自体が。ただ、このまま同じようにやってくと、じん帯を損傷する可能性はあるなと思ったんです。
真中 でも、2023年もそのフォームだからじん帯を壊したのか、それとも蓄積があって23年に壊したかっていうと、別に23年のフォームが悪かったから壊したっていうは直結しない。
五十嵐 しない。ただ、3年でケガをしてしまったってなると同じじゃないですか。あの年はWBCもあったし、体を無理させた可能性があるから、それが全てとは言えないですが。
1 / 3

大谷翔平 (おおたに・しょうへい)
1994年7月5日生まれ。岩手県水沢市(現・奥州市)出身。2012年に"二刀流"選手として話題を集め、北海道日本ハムからドラフト1位指名を受けて入団。2年目の14年にNPB史上初の2桁勝利&2桁本塁打を達成。翌年には最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠を獲得...
















