移籍1年目、三森大貴が明かすベイスターズのイメージとのギャップ 「意外とみんな暗かった...」 (3ページ目)
"セーフになる"ではなく"アウトにならない"という哲学。ここぞの場面でのヘッドスライディングは、三森の代名詞になりつつある。
「今はヘッドスライディングが多いんですけど、本当はケガのリスクもあるので足からスライディングしたい気持ちはあるんです。けど、絶対にアウトになれない場面が多いので、そうなると間一髪は、僕の場合はヘッドスライディングのほうが早い。今は身体も元気ですし、アウトにならない確率を求めて、考えながらやっていけたらなって」
そう言うと、三森は少しだけ口角を上げ、うれしそうな様子で続けた。
「最近ではファンの方々から『走れ!走れ!』の応援も多いですし、そこを意気に感じながらやれればいいなと思っています。ただ最近はセーフになるのが当たり前な感じになってきて、そこはあの......プレッシャーを感じていますよ(笑)。
まあ、アウトにならないのはいいことなので、続けていけるようにしたいですね。本当、横浜スタジアムの声援や応援はすごくて僕たち後押しになっているし、勝てば皆さん喜んでもらえるので、もっと応援して頂けるようにチーム一丸でやっていきたいですね」
この言葉を聞く限り、すっかり"ベイスターズの三森"になったと感じずにはいられない。
「まずは出たところでしっかりと結果を出し、それを続けていく。いい形で終盤まで行って、シーズンをトータルで見た時、僕個人もチームもいい成績で終われればいいなと考えています」
これから苦しい夏場を迎えるが、勝負の秋に向け、試合の流れを変えられる冷静沈着な三森の存在は、よりクローズアップされることが予想される。移籍1年目、数々の役割をこなし、ダイヤモンドを駆け巡る韋駄天の献身に期待したい。
三森大貴(みもり・まさき)/1999年2月21日生まれ。埼玉県出身。青森山田高では2年秋から4番に座り、東北大会で打率.571をマークし、センバツ出場に貢献した。2016年のドラフトでソフトバンクから4位で指名され入団。3年目の19年に一軍出場を果たし、21年、22年と100試合以上に出場。24年オフにトレードでDeNAに移籍。ユーティリティプレーヤーとして存在感を発揮している。
著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住
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