金子侑司が12年の現役生活ですごいと思った投手&打者ベスト3 「この球は一生打てない」
金子侑司インタビュー(中編)
12年の現役生活で多くの投手と対戦してきた金子侑司氏。そのなかで印象に残った投手3人を挙げてもらった。また、同じ打者として驚愕した3人の打者とは?
12年の現役生活で通算729安打を記録した金子侑司氏 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【打てないと思った3人の投手】
── これまで金子さんが対戦して、最もすごかった投手は誰ですか?
金子 打てないと思ったのは、2014年の金子千尋投手(当時・オリックス)です。この年は最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得して、沢村賞にも輝きました。リーグ優勝はソフトバンクでしたが、MVPも受賞するなど圧倒的なピッチングでした。
── 具体的に、金子投手のどこがすごくて打てないと感じたのですか。
金子 多彩な変化球ですね。プロ野球のピッチャーといえども、得意な変化球、苦手な変化球があるものですが、金子投手は全球種でストライクが取れます。ストレートはもちろん、カーブ、スライダー、シュート、カットボール、フォーク、チェンジアップ......。
── たしかに、球種の多さはダルビッシュ有投手(現・パドレス)と双璧でした。
金子 初球ストレートでストライクを取られ、「次は何が来るんやろう」「今度は何?」と変化球で翻弄され、最後はまたインコースに150キロのストレート。「あっ、ストレート忘れてた......」みたいな感じです。しかも、コントロールもめちゃくちゃくいい。特に(オリックス本拠地の)京セラドームでは無双していました。
── 2人目は誰でしょうか?
金子 千賀滉大投手(当時・ソフトバンク/現・メッツ)です。
── 千賀投手といえば、160キロに迫るストレートと"おばけフォーク"です。
金子 2022年に164キロを出したように、とにかくストレートが速くて、大きく鋭く落ちるフォークもある。わかっていても、なかなか打てません。2016年から7年連続2ケタ勝利を挙げて、MLBに挑戦。千賀投手がすごいのは、毎年のように貯金を5つ以上稼いでいること。金子(千尋)さんと違って球種自体は少ないですが、一つひとつが強烈でした。
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