西武・渡部聖弥がプロで対戦して驚いた投手は? 「あそこまでカーブの曲がるピッチャーはいなかった」 (2ページ目)
── 原点は広陵高校時代ですか?
渡部 高校の時から謙虚でありたいと思っていました。広陵の中井(哲之)先生は「野球ができる人が偉いわけじゃない」という、人間性を重視する方です。野球でどれだけ活躍しても、しっかり反省できる人間力や考え方が大事だと教わった気がします。
── 渡部選手を取材していて、言語化する能力の高さを感じます。西武の人材開発の担当者もそう話していました。思考を表現する力は昔から高かったのですか。
渡部 大学に入ってからいろいろ考えたり、自己啓発的な本を読んだりするようになりました。考え方ってめちゃくちゃ人間を左右するというか、プラスにもマイナスにもなるので、すごく大事だなと思いました。
── 影響を受けた本は?
渡部 『エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する』という本です。表紙には一本のシンプルな矢印と、線がぐちゃぐちゃの矢印が描かれているんですけど、要はどのようにしてゴールにたどり着くかと。たとえば、試合で打てなかったら、終わったあとに「練習しないといけない」ってなりやすいじゃないですか。
── そうですね。
渡部 でも状況や疲労や課題を考えた時に、今からマシンを打つことが正しいのかどうか。あるいは何がベストなのか。しっかり分析してやっていかないと、逆に遠回りになってしまうよ、という本なんです。それが思考のすべてになっているわけじゃないですが、しっかり自分を分析することでやるべきことが明確になります。
【同級生の活躍は刺激になる】
── 開幕してから1カ月以上経ちました。ここまではあっという間でしたか。
渡部 振り返っていればあっという間だったんですけど、途中ケガで登録抹消期間があって、特にその期間は長かったですね。
── 4月12日の日本ハム戦で右足首を痛め、25日に再登録されるまで9試合の欠場。どんな気持ちでしたか。
渡部 やっぱり悔しさがありました。治りもけっこう早かったのですが、焦る気持ちがあって、もしかしたら抹消されなくても大丈夫だったんじゃないかと思ったこともありました。ブランクというか、試合感覚がなくなることが不安なんです。実際、打席に立った時にギャップを感じるのかなと。
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