WBCまであと1年 侍ジャパンのメジャーリーガーでは賄えないポジションと候補者を考えてみた!
1年後に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。連覇を目指す侍ジャパンが、3月5、6日にオランダ代表を迎えて強化試合を行なった。2連勝を飾り、井端弘和監督は収穫を口にした。
「WBCでメジャーの選手がどれだけ出てくるかはまだはっきりしていないですが、ある程度イメージしながら、ここが課題だなというポジションはしっかり見極められたと思います」
前回大会では大谷翔平(ドジャース)や吉田正尚(レッドソックス)、ダルビッシュ有(パドレス)らが投打を牽引したように、2026年大会もメジャーリーガーが侍ジャパンの中心を占めるのは間違いない。
オランダとの強化試合で攻守に躍動した吉川尚輝 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【成長著しい山本祐大】
あらためてその顔ぶれを見ると、早くも来年の本番が楽しみになる。以下が今季、MLBでプレーする日本代表候補だ。
●投手
大谷、山本由伸、佐々木朗希(以上ドジャース)、ダルビッシュ、松井裕樹(以上パドレス)、今永昇太(カブス)、千賀滉大(メッツ)、小笠原慎之介(ナショナルズ)、菊池雄星(エンゼルス)、前田健太(タイガース)、菅野智之(オリオールズ)
●野手
大谷、吉田、鈴木誠也(カブス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)
投手陣は松井を除いて先発タイプ。野手は二刀流で指名打者の大谷と、外野手3人だ。
加えて、サードやファーストを守る村上宗隆(ヤクルト)と岡本和真(巨人)は、2025年オフにポスティングシステムで海を渡る可能性が噂される。もし移籍が成立すればWBC出場は微妙になるが、前回大会の吉田のようにWBCに出場してから新球団に合流する可能性もある。連覇を狙う井端監督にとって、是が非でもチームにほしい戦力だ。
さらに2021年東京五輪や前回のWBC、昨年のプレミア12を踏まえると、「セットアッパー&クローザー」では大勢(巨人)、栗林良吏(広島)、藤平尚真(楽天)が有力。前回大会の決勝でダルビッシュと大谷がリリーフ登板したように、アメリカラウンドの準々決勝以降ではメジャーリーガーの先発投手を後ろに回す手もある。
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。