定岡正二が明かすドジャースキャンプ秘話 親友・篠塚和典とは「これからも一緒に野球界を盛り上げていきたい」
定岡正二×篠塚和典
長嶋一次政権"投打のドラ1コンビ"対談 後編
(中編:長嶋茂雄エピソード 「おい、定岡! 相撲をとるぞ」「シノ、腐るなよ」>>)
巨人で活躍した篠塚和典氏と定岡正二氏による3回にわたる対談の最終回。定岡氏が現役引退の年に参加したドジャースのスプリングトレーニングでのエピソード、近年のふたりの交流やお互いが抱く思いなどを語ってもらった。2016年の少年野球教室での一枚。後列の左から2番目が篠塚和典、3番目が定岡正二 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
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――定岡さんは長嶋さんの導きで、ロサンゼルス・ドジャースのスプリングトレーニングに参加されましたよね。
定岡正二(以下:定岡) 現役を引退した時ですね。その後の進路が決まっていなかったこともあって、長嶋さんが「どうするんだ?」って心配して電話をかけてきてくれたんです。「アメリカ、ドジャースへ行け。オレがちゃんとやってあげるから」と。
それまで、ひとりで海外旅行をしたことがなかったのですが、長嶋さんのはからいですし、身ひとつで行きました。それで当時のドジャースの主力投手だったフェルナンド・バレンズエラ(1981年に新人王とサイ・ヤング賞を同時受賞)やオーレル・ハーシュハイザー(メジャー記録の59イニング連続無失点記録保持者)らと一緒にプレーさせてもらいました。キャッチャーは、大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスに移籍した時の監督だったマイク・ソーシアでしたしね。
そういう豪華なメンバーのなかで1カ月練習をさせてもらい、「これで野球をやめるんだ」という決心がつきました。本当の素晴らしい1カ月でしたね。
篠塚和典(以下:篠塚) 今も"顔"でドジャースに行けるんじゃないですか?
定岡 行っちゃおうかな(笑)。オーレルは日米野球で東京に来た時、当時のビデオとかをプレゼントしてくれました。一緒にプレーして仲良くなれたことなどを覚えていてくれたからね。昨年のワールドシリーズの始球式にオーレルが登場した時は「おぉ!」と思ったよ。ドジャースとのつながりが持てたこともそうだし、本当に長嶋さんのおかげ、ということが多いね。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。