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定岡正二が明かすドジャースキャンプ秘話 親友・篠塚和典とは「これからも一緒に野球界を盛り上げていきたい」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ちなみにゴルフはどちらがうまいですか?

定岡 それは見たとおりで、シノのほうがうまいですよ(笑)。野球もそうだけど、ねちっこいし勝負事に厳しい。1球にかける情熱というか、そういうのは野球と共通していますね。僕は"エンジョイゴルフ"という感じなのですが、シノが真剣だから僕も真剣にやらないといけないな、とも思っています。シノは僕を負かすことがうれしいんでしょ?

篠塚 向上心があるので(笑)。プライベートでもいろいろな人とゴルフをやりますし、楽しく回るというのもありますが、そんななかでも向上心を持って取り組んでます。練習はあまりできていないので、自分のイメージどおりに打つのは難しいんです。ただ、プレーしている時はうまく打てなくても、イライラしないように心がけています。

定岡 練習量は僕のほうが多いんです(笑)。シノは練習をほとんどしていないのに、本番になるとうまいんですよ。

篠塚 やっぱり安心しちゃうとダメですよね。いいショットをしても、次はどうなるかわからないじゃないですか。ミスをすることを考えたほうが、あまりミスをしないんです。

定岡 わかった。これは性格の違いだわ(笑)。俺はパーを取ったら「いぇーい!」とか「どうだ!」って言うんだけど、シノは「サダさん、浮かれない、浮かれない」って言っていますから(笑)。

【定岡があらためて感じるファンの大切さ】

――先ほど篠塚さんが「甲子園で僕以上に騒がれていた」と言われていましたが、定岡さんは当時、どんな心境だったのですか?

定岡 うらやましいの?(笑)。 あの騒がれ方は異常でしたね。当時の鹿児島実業はまだ男子校だったので、女の子とつき合ったことがなかったんです。だから、女の子から騒がれるのが嫌でした。プロ入り後もそうです。バスに乗り込むまでにもみくちゃになるじゃないですか。一緒に歩いていた先輩たちは「けっ!」みたいな顔をしていましたし、なんか申し訳ないなと。僕は先輩思いなんで(笑)。

 プロ入りして1勝もしていない選手がキャーキャー騒がれるわけですからね。なので、1勝して周囲に認めてもらうまでは気が重かったです。休みの日も、外に出られませんでした。当時「申し訳ないな」と思っていたのは、ファンの方々が寄ってきていただいても、冷たくするしかなかったこと。今はこんなに優しいんですけどね(笑)。

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