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プロ3年目、ヤクルト・橋本星哉の目標は一軍で打率3割、ホームラン10本 「できないことはない」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

「サードにはムネさん(村上宗隆)がいますけど、挑戦することはプラスになることが多いと思っています。サードの練習も、スローイングや足の運び、ハンドリングなど、キャッチャーの守備にも生きると思ってやっています」

 橋本の最大の魅力はやはりバッティングで、豪快なフルスイングは見るものに期待を抱かせる。先の松山キャンプでのロングティーでは打球が場外へ消える一打もあり、打球速度は160キロに到達することもあった。

「ただ自分としては、もっと柔らかいスイングをしたいんですよね。どうしても打ちたいという気持ちが強くなると、力が入りすぎてしまう。去年の盛岡での楽天戦で左中間にホームランを打ったのですが、この時の打席はこれまでの人生のなかでも一番の感覚でした。力なく打てたというか、今はそういうスイングができるように取り組んでいます」

 今シーズン、目指すところについて聞くと「ちょっと高い目標ですけど」と前置きして言った。

「一軍で打率3割、ホームランは10本くらい打てたらと。できないことはないと思っていますし、自信を持ってやりたいですね。あとはケガなくやりたいです」

 12月は戸田で同期の北村恵吾や、後輩の鈴木叶、高野颯太と自主トレ。朝8時半から1時間半ほどウエイトで鍛え上げ、その後は戸田球場で走り込み、室内練習場で1時間以上バットを振り込んだ。

 年が明けると、橋本は川端慎吾、山田哲人、中村悠平らと松山での自主トレに参加。

「去年は、慎吾さんに聞きたいことを聞けずに終わってしまった。今年はバットの出し方など、いっぱい聞いてやろうと思っています! そして2月のキャンプで『コイツ、しっかりしたオフを過ごしたな』と思われるようにやっていきたいです」

「美女木のヘラクレス」から「神宮のヘラクレス」へ──橋本の鍛錬は今日も続いている。

著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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