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【定岡正二×篠塚和典スペシャル対談 前編】「予想していなかった」巨人のリーグ優勝と、2025年に残った課題を語り合った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――思うように点が取れない時期もありましたが、ピッチャー陣の頑張りでしのいだ印象もあります。

篠塚 打線は"水物"ですから、こればかりはなかなか......。シーズンは長いので、どうしても選手個々の浮き沈みがありますしね。でも、誰かが打てない時に、ほかの状態がいい選手がカバーできればいい。クライマックスシリーズ(CS)のような短期決戦になると、チームとしていい状態を合わせていくのが難しかったりしますけどね。

――ピッチャー陣は来季に向けて、MLBのボルチモア・オリオールズに移籍が決まった菅野智之投手の穴を、いかに埋めていくかが大きな課題になりそうですね。

定岡 菅野は15勝を挙げ、リーグ優勝に一番貢献度しました。いなくなるのは痛いですが、山﨑伊織にしても井上温大にしても、若い投手たちが「チャンスだ」と思って奮起すると思いますし、奮起しないといけないと思います。

 先ほども言ったように、今年はピッチャー陣がうまく回りました。先発だけじゃなく中継ぎも頑張ったし、大勢もケガで戦線を離脱することもありながら、しっかり抑えましたね。2023年は、中継ぎのピッチャーが「いつ出るだろう」「誰が出るんだろう」と迷いが生じていてはっきりしなかった印象がありました。それが2024年は、この展開だったら誰が出る、誰を出すというのがある程度明確になっていた。つまり、来季もピッチャー陣の運用がうまくいけば心配ないですし、菅野の穴が大きいと思ってはいけません。

――今オフには、元楽天の田中将大投手や、元中日のライデル・マルティネス投手らを獲得するなど、ストーブリーグをにぎわせましたね。

定岡 もちろん、実績があるピッチャーは来てくれればプラスになりますし、大きいですよ。だけど、巨人はリーグ優勝しているわけですし、もともと所属している選手たちのレベルアップやチームの底上げがよりいっそう大事だと思います。

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