全員ドラ1「早大三羽烏」最後のひとり・福井優也の現在地 NPB復帰は「こんなんじゃ無理」それでも「今の野球をやりきる」 (6ページ目)
【指導者としてのNPB復帰も視野】
そして、指導者としての道は、まだ始まったばかりだ。
「プロでコーチをやりたいっていう気持ちはあります」
福井がそう言うように、将来的には指導者としてNPB復帰を視野に入れている。
独立リーグからは、昨年まで四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツで、福井と同じようにコーチ兼投手だった正田樹が、今季よりヤクルトの二軍投手コーチに就任した例もある。福井にとっても決して夢物語ではない。
福井に理想とする指導者像を問うと「いやあ、どうですかね......」と返ってきた。答えに窮したというよりも、これからじっくり築き上げていくつもりなのだろう。
福井や岩村監督が高校時代に指導を受けた上甲正典氏(愛媛・宇和島東、済美で監督を務めセンバツ優勝)も、勝ちにこだわる指導者だった。
指導者としての福井も、マウンドでの姿と変わらぬ熱さを見せてくれるはずだ。
【プロフィール】
福井優也 ふくい・ゆうや
1988年、岡山県生まれ。済美高(愛媛)時代はエースとして3回甲子園に出場し、2年次の2004年春は優勝、同年夏は準優勝。高校生ドラフトで巨人4巡目指名されるも入団を辞退し、1浪を経て早稲田大に入学。斎藤佑樹(元日本ハム)、大石達也(元西武)とともに活躍すると、2010年ドラフト広島1巡目指名で入団を果たす。2011〜2018年を広島、2019〜2022年を楽天で過ごし、通算成績は32勝41敗・防御率4.58。2023年よりBCリーグ・福島レッドホープスに入団し、自身初のノーヒット・ノーランも達成した。2024年からは投手兼任コーチを務める。
著者プロフィール
和田悟志 (わだ・さとし)
1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。
6 / 6