全員ドラ1「早大三羽烏」最後のひとり・福井優也の現在地 NPB復帰は「こんなんじゃ無理」それでも「今の野球をやりきる」 (4ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・撮影 text&photo by Wada Satoshi

【コーチ兼任で指導者としての一歩】

 だが、肩書きは昨シーズンとは少し違う。昨季は投手に専念していたが、今季は"コーチ兼任投手"となった。

「選手をずっと続けられるわけではないので、指導者としての勉強をしようと思って、今年からコーチを兼任しています」

 現役投手を続けながらも、将来を見据えて指導者としての一歩を踏み出した。

 もっとも、コーチ兼任投手は、想像していた以上に大変だった。自分の練習ができるのは、ほかの投手のピッチング練習を見たあととなり、なかなか思うような練習ができずにいた。

「そのあとにいざ体を動かそうと思っても体が重いんです。"今日はいいか"って自分自身に負けてしまうこともあった」

 新しい肩書きになかなか慣れず、春先から絶不調だった。

 4月14日の西武のファームとの試合では1回をもたずにノックアウトされている。6月9日時点で2勝3敗、防御率6.42と不振が続いている。また、5月半ばからは中継ぎに回っている。

「なかなか選手兼任コーチって難しい」

 思わず漏れ出たそんなひと言には、実感がこもる。

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