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高木豊が語る好調・阪神タイガース 打線は「もう少し上向いてくる」投手陣は安定も「気になるのは......」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――新外国人のハビー・ゲラ投手、岩崎優投手のダブルストッパーとしての働きはどう見ていますか?

高木 岩崎の精神的な負担がかなり軽減しているように見えます。昨季は湯浅京己が不調で岩崎が大車輪の働きをした。それが「今年もか......」となると、ものすごく精神的に負担がかかると思うんです。なので、ゲラの存在は非常に大きいですし、岡田監督の起用法もうまいですね。

【今季の「ライバル」はどのチーム?】

――開幕して約1カ月経ちましたが、阪神のライバルとなりそうなのはどのチームですか?

高木 中日だと思います。

巨人は2位につけていますが、とにかく打てません。たとえば、走者をためて岡本和真や坂本勇人の一発が出れば大量得点につながりますが、それ以外はビッグイニングを作られる心配があまりない。ピッチャー陣は昨季より整備されて頑張っていますが、ロースコアの試合では1点をどう取るか。そうなると、足のスペシャリストもいる阪神に分があります。

 中日を挙げたのは、甲子園とバンテリンドームという、本塁打が出にくい球場で戦うことも理由のひとつです。今季の阪神は本塁打で勝つ試合も多いですが(チーム本塁打リーグ2位の15本)、お互いの広い球場で、中日のピッチャー陣が本塁打を打たれる想像ができないんです。4月19日からの3連戦では阪神が中日をスイープしましたが、今後はいい勝負になってくるかなと。

――阪神の好調は今後も続きそうですか?

高木 最初に話しましたが、昨季の状態に近づいています。相手チームが勝手にコケている試合も多いのですが、その要因も阪神が好調ゆえかもしれません。それと、阪神の選手たちは体が強く、他チームに比べてケガ人が少ない。なので、今後も安定した戦いを続けていけると思います。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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