名コーチ・伊勢孝夫が度会隆輝、田村俊介、前川右京の若手3人を診断 「度会のバットの出し方は前田智徳を彷彿」 (2ページ目)
さて度会だが、当然相手チームも攻略法を探ってくる。弱点があるとしたら、高低の攻めだろうか。横の揺さぶりには対応できても、高低に脆さを感じる打席が見られた。このあたりが、今後のポイントになるだろう。
あとは左投手対策だろうか。オープン戦では3月23日の日本ハム戦で、加藤貴之に2打席凡退したシーンがあった。
第1打席は真ん中から低めにストレート2球で追い込まれたあと、真ん中低めのボール球になるカットボールに手を出してセカンドゴロ。つづく打席も、真ん中低め、外角低めを攻められ一塁ゴロに打ちとられた。ストレートも変化球も加藤クラスとなればキレが違う。あっさり打ちとられた印象だ。
加藤ほどの好左腕はセ・リーグにそう多くないとはいえ、今後カギになりそうな2打席だった。広島との開幕カードでは頭部に死球をくらったが、活躍すればするほど厳しい内角攻めは増えるだろう。
今後、各球団がどんな対策を練り、それを度会がどう対応していくのか、楽しみでならない。
【田村俊介、前川右京の課題は?】
広島・田村もスイングは20歳のものではない。度会同様、何年もプロでやっているという感じのシュアなスイングをしている。変なクセもなく、侍ジャパンの井端弘和監督が3月に開催された欧州代表との強化試合に抜擢しただけのことはある。
実際、オープン戦序盤は3本のホームランを放ち、結果を出していた。新井貴浩監督のみならず、西川龍馬の抜けた穴を埋める存在として期待するのは当然だろう。しかしオープン戦後半になり相手ピッチャーのレベルが上がってくると、徐々に快音が聞かれなくなった。
理由は簡単だ。現状、左投手を打てないことに尽きる。これはあとに述べる前川にも共通している課題だが、田村が打てるのが真ん中からやや外角の甘い球が多い。コントロールミスを確実に仕留めているという点では及第点だが、一軍で投げるピッチャーはミスが少ない。
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