ヤクルトに西川遥輝の加入でスタメン争いが激化! 外野ポジション「残り1枠」を手にするのは? (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 キャンプは別メニューながら、キャッチボールや、マシン、コーチを相手にした打撃練習を消化。澤井は回復状況についてこう話す。

「まだ始められないのは、生きたボールでのノックやバッティングです。理想を言えば、キャンプが終わる頃には"野球"に参加したいのですが、現実的にはトレーナーさんたちと話し合って、焦らずにやっていこうと」

 澤井はケガで失った時間について、「落ち込みましたが、今までやってこなかったトレーニングもできました」と前向きに語る。

「胸椎の柔らかさとか、苦手だったところにフォーカスする時間になりました。復帰したあと、いい結果を残せる自信はすごくあります。あとはどれだけ下半身の状態を戻せるか、というところです。チームには西川選手も入ってきましたし、同級生のハマちゃん(濱田)も力をつけているという情報も入ってきています。その戦線に入っていきたい気持ちが強いです」

 3月の戸田球場。澤井はチームの打撃練習を利用して、打球への感覚を身につけるためライトの守備位置に立った。実戦に向けて、一つひとつ階段を上がっている。

【大ベテランの献身力】

 西都から浦添の一軍キャンプに戻ると、青木が「去年以上のパフォーマンスを出したいと思っています」と、いつものように朝からマシン相手に打ち込んでいた。NPBでは初めてとなるライトの守備にも就き、シートノックではダイビングキャッチも見せた。

「昔から外野ならどこでも守れる準備をしているので、景色はちょっと違うけど慣れの部分だけですね。42歳になってダイビングするとは思わなかったけど、若い人には負けないように気持ちを出しています」

 髙津監督が冒頭で述べていた「チームに影響のある人」というのは、青木のことを指していることは容易に想像できた。

「自分としては、プレーでも声がけでも、今はすべてにおいて自分のベストを与えたいと思っています」

 出場機会を求めるなかでの若手へのアドバイス。ふたつを両立させるのは難しいことかと聞くと、青木は「それはそれです」と厳しい表情で言った。

「そうやってひとつに絞ろうとするからおかしな感じになる。試合には出たいけど、アドバイスもします。それだけですよ」

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