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広島・矢崎拓也「負けがつくことは中継ぎとして価値がある」想定外だったリリーフで躍進して感じたこと (4ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Sankei Visual

── この5年でこれだけ大きな変化があったから、これからの5年でどのように変わっていくのかファンも楽しみにしていると思います。

矢崎 どうなんでしょうね。それはわからないですけど、わからないからこそいいということもある。そもそも(プロ入りしてからの)5年間で、自分が7回、9回をやることなんて想像もできなかった。人間として生まれて、自分の想像を超えていけるのは、とてもうれしい。そういう姿が、くすぶっていたりする人に「絶対ダメなことはないよ」というメッセージになれば、と思います。

 プロ野球って、自分の成績うんぬんが何万人に知れ渡ってしまう世界。昨年ダメだったから、今年も絶対ダメという決まりはないのに、「あいつはもう使えないよね」というレッテルを貼られてしまう。難しいですけど、そうではないことを示せるなら、それが一番うれしいことかなと思っています。難しいことをやるというのは、自分にとっての課題かなと思うので、逃げ出さずに大いに楽しみながらやりたいと思います。


矢崎拓也(やさき・たくや)/1994年12月31日生まれ、東京都出身。慶應義塾高から慶應大に進み、2016年ドラフト1位で広島に入団。17年4月7日のヤクルト戦でプロ初登板・初先発を果たし、9回一死までノーヒット・ノーランの好投を見せ、プロ初勝利をマーク。その後は勝ち星に恵まれず、22年に5年ぶりの勝利を挙げる。今季はキャリアハイの54試合に登板し、4勝2敗24セーブ

著者プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

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