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阪神は38年ぶり日本一へ第一関門のCSを突破できるか 名コーチが不安視する「空白の2週間」 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Koike Yoshihiro

 投手にとっては効果があるかもしれないが、打者はどうだろう。フェニックスリーグは若手主体で、CSや日本シリーズで対戦する投手とはレベルが違う。失礼ながら、ここでいくら打ったとしても、はたしてどこまで効果があるのか疑問だ。

【サトテルは今の状態を維持できるか】

 ちなみに、ここ最近の阪神打線を見ると、好調なのは佐藤輝明、中野拓夢といったあたり。逆に、不調というかタイミングが合っていないのは森下翔太、近本光司だろうか。4番の大山悠輔も調子に波があって不安だ。

 ただ森下は、今は力みまくって墓穴を掘っている感じがするが、疲労が完全に抜ければウソのように打ち始めるかもしれない。良くも悪くも計算できない打者だが、いいほうに転べば爆発が期待できる。

 佐藤の場合は、調子が上がってきたというより、正確には技術的な変化がバッティングに現れてきたといったほうがいいだろう。

 それを感じたのは8月30日のDeNA戦。2回裏に先発のトレバー・バウアーから、見逃し三振を喫した打席だ。この打席での佐藤は右の腰が開かず、しっかりパワーを溜めていた。あの打席を見て、「いい見逃し方だな」と感じたことを記憶している。

 以後、高めの球もさばけるようになり、快打を連発している。ということは、CS初戦までにこのフォームを維持できているかどうかだが、先述したように打者の好不調の波の目安は2週間。このあと調子を落とし、CSまでに間に合えばいいが......。

 首脳陣としてみれば、チーム全員が好調というのは考えていないだろうが、不調の打者をひとりでも少ないしたいところだ。この難題に、岡田監督はいかにして取り組んでいくのか。それだけでも興味深い。

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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