「選手に拒絶されることが多かった」球団広報が「ホークスと結婚した女」と呼ばれるまでの苦労 大人気SNSの舞台裏を語る (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi

●「ホークスと結婚した女」と呼ばれるまでの苦労

 加藤さん自身のツイッターも19.1万人ものフォロワーがおり、ホークスファンにはお馴染みの存在だ。お笑い芸人の博多華丸さんからは「ホークスと結婚した女」の異名を与えられている。

「今はどの球団もどのスポーツチームもSNSを持っていて、いろんな戦略を立てています。他に負けないように、他球団がどんなことをしているのかなと目を光らせつつ、自分たちらしいコンテンツづくりを心がけています」

この記事に関連する写真を見る 加藤さんがホークスに入団したのは2006年のこと。大学卒業後に福岡放送でスポーツ番組のキャスターを務めていたことが縁で、ホークスがオフィシャルメディアを立ち上げる際に、リポーターを探していた球団から声をかけられた。

 しかし、当初はうまくいかないことばかりだった。

「当時は女性が現場にいるっていうことがなかったですし、今みたいにSNSもありませんでした。それに選手は年上ばかり。

 外部の人間だった時はお客さんという感じで接してくれていましたが、球団に入ってからは身内の人という感じで扱われるので、キャスターだった時とは違って、選手に拒絶されることのほうが多かったんです。

 とにかく現場に慣れることに必死でしたし、私自身、『なにか失礼なことをしていないかな...』と、周りに対して気を遣いすぎていました」

 自身も大学まではバスケットボールに取り組んでおり、同じアスリートとして選手の気持ちをおもんぱかるあまり、遠慮や怖さが先行してしまっていた。そして、気づかぬうちにストレスをため込み、ついには体調を崩したことがあった。

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