ロッテ→阪神→DeNAを渡り歩いた久保康友が日本プロ野球界を嫌う理由「残りたいとかも思わないし、残る価値もない」 (4ページ目)
「あ、でも、これ僕がメキシコやアメリカで経験したことなんですけど、日本人が来ても『誰、こいつ?』って感じですよ。『NPBの選手です』って言っても『そのリーグ、何?』みたいな。特にアメリカは、メジャーリーグ以外は全部マイナーリーグです、基本。そういう世界」
── 2019年にプレーしていたメキシコ(レオン・ブラボーズ)はいかがでしたか?
「メキシコはみんなフレンドリーでしたね。『お前、日本からか。俺は台湾でやってたぞ。日本と台湾は違うんか?』みたいな感じです(笑)。
僕、グローブの中に日本の地図を入れてるんです。アメリカ2年目から。僕が出会ったアメリカに野球で行っている中南米の選手たちって、ほとんど勉強をしていない選手が多く、日本のことも知らないんですよ。だから『東のほうにこういう形の日本っていう国があるから覚えてくれ』っていう意味で。
僕は世界遺産が好きなんですけど、ベネズエラにあるエンジェルフォールっていう滝、ご存じですか? 滝の落差がありすぎて、落ちてくる水が途中で霧になるところなんです。僕、そこに行きたくてベネズエラの選手に『お前の国のエンジェルフォールを見に行きたいんや』って言ったら『は? なにそれ?』って......。僕らが富士山を知らないみたいなもんですよ」
── 今年の春に開催されていたWBCは見ていましたか?
「ちょうどこっち(ドイツ)に来たタイミングだったんで、見てないんですよ。結果だけは知ってますけど」
── 日本の優勝についてどう思いましたか?
「オリンピックもWBCも『国対国のスポーツの対決』ですけど、根底にあるのはビジネスです。もちろん、日本が優勝したのはいいことだと思っていますよ。でも、日本人の価値が上がるかは別やと思うんで。まぁ、ビジネスとしてはWBCもオリンピックも大成功ですよね、毎回」
── 今ではテレビやインターネットで気軽にメジャーリーグも追いかけられる時代になりました。
「今の子どもたちは、日本のプロ野球じゃなくてメジャーリーグを見てるんじゃないですかね。すごくいいんじゃないんですか、目が外に向いていくというのは」
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