ロッテ→阪神→DeNAを渡り歩いた久保康友が日本プロ野球界を嫌う理由「残りたいとかも思わないし、残る価値もない」 (3ページ目)
ハンブルクの選手はみな社会人(久保は右から2番目)この記事に関連する写真を見る── 野球というスポーツが"超"がつくほどマイナーなドイツに来て、久保投手の野球への見方は変わりましたか?
「僕はドイツに来る前まで、選手をうまいか下手かで評価していたんです。でも、ハンブルクに来て彼らと初めて一緒にプレーして、『あ......今までなんていうことを自分はしてたんや』と。野球がうまいか下手かなんて二の次やと思いました。
彼らの姿勢、好きなものに対する姿勢は、すっっっごいリスペクトしています。だってつき合っている彼女に『あんた、いっつも週末はベースボールばっかり......』ってめちゃくちゃ文句を言われてんのに、平日は彼女のためにうまくいろいろしてプラスポイントを稼いで、週末に野球しに来ているんです。プライベートのすべてを野球に注ぎ込んでいるんですよ。
それに、小さい時からずっと聞かれていると思いますよ。『なんでこの国(ドイツ)におるのに、そんなスポーツやってんの?』って。誰も支援してくれへんし、めっちゃお金もかかるし。子どもが野球をやるってなっても、グラウンドもないから、お父さんやお母さんがクルマで片道1時間半かけて練習場まで送り迎えしてるんですよ。
ドイツで野球をやるって、本当に大変。日本やったら、だいたいどこにでも野球をやる環境がありますよね。なんならチャリ(自転車)でもグラウンドに行けるし」
── ハンブルクに来てからの収入は?
「ほんまに"雀の涙"です。もし今後、日本とかであかんかった選手がドイツを選ぶかもしれませんけど、はっきり言って収入は望めないですよ。ただ、楽しいですけどね」
── ドイツで日本人は「野球先進国の選手」と思われているのでしょうか?
「野球先進国の人間やと思われているでしょうね。だって、初めて来た日本人が僕で(現在9勝を挙げていて)活躍しているじゃないですか。1分の1なので、たぶん僕がベースになる」
── 日本はWBCで何度も優勝しているので、久保投手が来る以前から「日本は野球先進国」というイメージがドイツに根づいているかと思っていました。
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