盗塁王二度の緒方耕一が30歳の若さで引退も「そこで辞めたのは正解だった」と思うワケ (4ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

── 2009年のWBCでは、原監督とともに世界一にも輝いています。

緒方 09年はリーグ優勝して、日本シリーズでは日本ハムに勝って、そしてWBCに出場しました。最初に原監督から「一緒に頼むぞ」と言われた時には、「僕なんかよりもすごい先輩方がいるので、僕は結構です」って断ったんです。で、その場はそれで終わったんですけど、原さんは僕が断ったことを忘れていて、そのまま話が進んでいたんです。原さんもちょっと長嶋さん的な部分があるんです(笑)。

── 結果的に出場してよかったですね。

緒方 ちゃんとお断りしたんですけど、WBCに出られて本当によかったです。プロに入れたのも、スイッチヒッターになったことも、盗塁王になったことも、WBCに出られたことも、やっぱり運がよかったんだと思います。やっぱり、運です、僕の場合(笑)。

おわり


  この記事に関連する写真を見る緒方耕一(おがた・こういち)/1968年9月2日、熊本県生まれ。熊本工業高から87年にドラフト6位で巨人に入団。プロ入り後にスイッチヒッターに転向し、3年目に一軍初昇格。快足一番打者として頭角を現し、90年に盗塁王獲得。その後、足の故障を克服して93年に2度目の盗塁王に輝いたが、相次ぐ故障により98年に30歳の若さで現役引退。通算成績(実働9年)は685試合出場、打率.263、486安打、17本塁打、130打点、96盗塁。引退後はコーチ、スポーツコメンテーターとして活躍。09年のWBCでは日本代表のコーチを務め、世界一に貢献した

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る