DeNAのドラフト1位ルーキー・松尾汐恩が受けたプロの洗礼 「このピッチャーを打てなければ上で通用しない」 (4ページ目)
先日はファーム交流戦で大阪や下関、宇部などに行ったが、遠征先での楽しみは何だろうか。
「やっぱり食事で、一緒に行くのはキャッチャー陣とですね。仲がいいので一緒に行動することが多いんです。あと自分は基本、ホームの球場が好きなんですけど、ビジターの球場でプレーするのも楽しみのひとつです」
そういえば出身の大阪桐蔭高は、週末になると各地へ遠征に出ていたが、なにか当時の思い出はあるだろうか。そう訊くと、松尾は少しだけテンションを上げて答えた。
「高校は寮生活でしたし、遠征の時に外に出られるのがすごくうれしかったんですよ。極端なことを言うと、3年間、そのために頑張っているというのもありましたね」
松尾はそう言うと笑った。1年前までは、そのような生活をしていたと思うと、感慨深いものもあるだろう。今ではプロとして一歩一歩、確実に前へ進んでいる。
関東地方は梅雨入りし、ほどなくすれば暑い季節がやってくる。これからの1カ月、何を目標にプレーをしていくのか。
「夏は好きなんですけど、それでも暑さ対策はしっかりと練って体調管理していきたいと思います。また、ここまでチームに馴染むという部分ではうまくやれてきていると思うので、これからは自分の結果というものにさらにこだわってプレーしていきたいと思います。結果だけではなく、野球への向き合い方や日々の過ごし方、いろんな部分で"こだわり"を持っていきたいですね」
"こだわり"とは、つまりプロとして自己形成を促すということ。会うたびにたくましさを増していく松尾の成長曲線やいかに──。
著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住
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