飯田哲也が移籍選手の貢献度を診断 大竹耕太郎が新天地・阪神で活躍している理由も語った (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

【人的補償の田中正義はプロ初勝利】

田中正義(ソフトバンク→日本ハム/人的補償)

 田中正義は選手層の厚いソフトバンクでなければ、もっと投げるチャンスのあった投手。それだけの実力はありました。なにしろ、5球団競合のドラフト1位の選手ですからね。4月26日オリックス戦でプロ初セーブ。5月7日の楽天戦でのプロ初勝利まで7試合連続無失点。その試合では150キロ台ストレートとフォークで3者連続三振。ここまで15試合1勝6ホールド4セーブの成績を挙げています。田中は先発よりも、リリーバーのほうが向いていると思います。

張変(オリックス→西武/人的補償)

 ここまで登板5試合(5イニング)で防御率9.00。本来の実力からすれば、まだ本領発揮できていない印象です。近年、西武は投手陣のレベルが上がっていて、なんとかそこに食い込んでいきたいところですね。

【新天地で躍動する現役ドラフトの4人】

大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神/現役ドラフト)

 今季ここまで5連勝と、チームの首位快走に大きく貢献しています。大竹は育成ドラフト4位入団ながら、1年目から支配下登録され3勝をマークするなど順調に成績を残していましたが、ここ2年間は未勝利でした。何がよくなったかと言うより、パワー勝負のパ・リーグより、セ・リーグ向きの投手だったと思います。研究熱心なクレバーな投手で、内外角にきっちり投げ分けられる制球力の持ち主です。ストレートのスピードは140キロそこそこですが、チェンジアップを織り交ぜ緩急を使って勝負できる。まだまだ勝ち星を積み重ねられると思います。

オコエ瑠偉(楽天→巨人/現役ドラフト)

 キャンプ、オープン戦から好調を維持し、開幕スタメンの座を勝ちとりました。ドラフト1位で入団しながら、楽天ではレギュラーをつかめなかった。今年でプロ8年目、「移籍して、ここでやらないとまずい」とやる気が出たんではないでしょうか。開幕当初こそいい働きを見せていましたが、4月から5月にかけて10打席無安打で、5月8日に登録抹消となりました。ただ彼の積極的なプレーは巨人に必要だと思いますし、必ずまたチャンスはあるはず。頑張ってほしいですね。

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