予想外のロッテ首位、ソフトバンク苦戦の理由、日本ハムの「理解できない」起用法も 波乱のパ・リーグを高木豊が分析 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

【楽天は「浅村頼み」日本ハムは起用法が「理解できない」】

――出遅れてしまった楽天(9勝14敗)と日本ハム(9勝16敗)はどう見ていますか?

高木 楽天は浅村栄斗が打ったら勝てる、打てなかったら負けるというような感じで、負担が大きいような気がします。あと、開幕からしばらく1番を任されていた辰己涼介が定着していくかと見ていたら、数試合でダメですもんね。

 左バッターばかりだったので、阿部寿樹や伊藤裕季也、新外国人の(マイケル・)フランコら右バッターを起用したりしていますが、厳しい状況ですね。

――日本ハムはどう見ていますか?

高木 日本ハムは外野の万波中正をファーストに入れたり、内野の(アリスメンディ・)アルカンタラを外野に回したり、野村佑希をファースト、清宮幸太郎をサードで起用したり......何か狙いはあるにしても、ちょっと理解ができないんです。

 万波などは外野をやらせたら、肩は強くて身体能力もあって一流ですよ。でも、内野を守るからおかしくなるのではないかと。バッティングにも影響があると思いますよ。昨年ほどメンバーをコロコロ変えたりはしていないですが、ある程度は守備位置も考えて使ってあげないと負担になると思います。

 投げるほうでは伊藤大海が勝てていません。投球フォームのバランスが悪く、左手が"死んでいる"というか、右手1本で投げている感じがします。球速は出ていますが、コントロールが甘い。鈴木健矢が3勝するなど頑張っていますが、伊藤が復調してくれないと厳しいでしょうね。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に解説したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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