オリックス・山下舜平大は「千賀滉大、山本由伸、佐々木朗希を追いかける存在になる」西武の主軸打者たちが絶賛 (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

 では、もしフォークがストライクゾーン付近にコントロールできていたとしたら、どうなっていただろうか。

「全然違うと思いますね」

 即答した外崎は、山下のフォークについて続けた。

「チェンジアップっぽいですね。あまり回転していないんですよ。それで落ちてくる。"抜け真っすぐ"みたいな、チェンジアップみたいな感じ。あれがしっかりコントロールできて、こっちが真っすぐに合わせているところできたら、厄介かなというのはあるかもしれないですね」

 山川、外崎、栗山という西武打線の顔である打者たちが、いずれも山下を高く評価した。速くて強くて角度があるストレート、ブレーキの効いたカーブ、さらに開幕戦では思うように操れなかったフォークがあり、今後は球種も増えていくだろう。

 20歳の右腕にとってこの日はまだ初登板で、試合を重ねるごとによくなっていく姿は容易に想像できる。

 そうした大器にとって、最大の武器は160キロに迫るストレートだ。開幕戦を終えて駐車場から帰る間際、栗山に打席で軌道を見た印象を聞いた。

「何とも言いづらい。伸びてもくるし、もちろんデカいから角度もあるので。ただ、ちょっと打席数が少ないので、また何回か対戦したら細かく言います(笑)」

 開幕戦という晴れ舞台でベールを脱いだ剛腕投手は、百戦錬磨の打者たちとどのような対決を繰り広げていくのか。今後がいっそう楽しみになるデビュー戦だった。

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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