山本昌×岩瀬仁紀が語り尽くす2023中日投手陣「2ケタ期待は4、5人いる」「根尾昂は持っているものをまだ制御しきれていない」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

岩瀬 逆に宏斗はWBCでリリーフをしていましたから、まずはファームで長いイニングを投げてから一軍に上げるんじゃないですか。

── 小笠原投手に関しては、岩瀬さんは以前から期待ゆえの辛口コメントを寄せていました。

岩瀬 彼がプロに入ってきた時の、あのすごいボールを見ているので。だからもっと勝てるピッチャーになれると思っていました。今年のキャンプでの「自分が引っ張っていくんだ」という行動や姿勢を見ても、やっとカラを破り始めているなと感じます。この世界は自信をつけることがすべてなので。

山本昌 あえて不安要素を挙げるとすれば、大野と柳がバンテリンドーム以外でなかなか勝てない「内弁慶」というところかな。大野は広島のマツダスタジアムで8年以上も勝っていないそうだから。

岩瀬 柳は悪くなると止まらないところがあるので、心配はそこですね。

── 新加入の涌井投手はどうですか?

山本昌 順調ですよ。オープン戦では「はじめチョロチョロ」という感じですが、そこはベテランですから。僕もオープン戦ではボコボコにされるのがデフォルトでした(笑)。感心したのは、キャンプ初日にキャッチャーミットを持ってキャッチボールをしていたところ。ピッチャーのボールを普通のグラブで捕ると、痛いですからね。あぁ、落ち着いているし、早くもチームに打ち解けているなと感じました。

【リリーフ陣のカギを握る清水達也】

── 岩瀬さんの目から見て、今年のリリーフ陣はどうでしょうか?

岩瀬 他球団より揃っていますよね。カギは清水(達也)になるんじゃないかと。去年の反動がくるのか、完全に自信をつけるのか。ここまであまりにも順調にいきすぎてきましたから。

山本昌 7〜9回を清水、ジャリエル、ライデルで計算できるのは大きい。ビハインドの展開でも祖父江(大輔)がいるし、DeNAから砂田(毅樹)も入ってくれた。でもまあ、去年も充実した投手陣で最下位に沈んでしまったんだけど......。

岩瀬 やっぱり、点をとらないと勝てないですよ。

山本昌 まあ、最下位といっても借金は9だったから。

岩瀬 ちょっとしたことでAクラスになれます。

山本昌 たとえば勝ちを3個拾えていたら、借金は6も減る。借金3だったら、去年ならAクラス争いができていたわけだから。

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