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WBCで侍ジャパンの投手陣はアメリカの最強打線にどう挑むのか タイトルホルダーがずらりのなかで一番ノッテいる打者は? (2ページ目)

  • text by Saku Yanagawa
  • photo by Getty Images

 しかし、その嫌な空気を一瞬で吹き飛ばしたのが8回。恐怖の9番打者、トレイ・ターナー(フィリーズ)だった。無死満塁の場面で振り抜いた打球は、レフトスタンドへ一直線。まさにチームを救う起死回生の逆転ホームランだった。

 この一発によって、壮絶なアウェーでの打ち合いを制し、ドラマチックに準決勝進出を決めたアメリカ。これまで数々の死闘を繰り広げてきた百戦錬磨のプレーヤーが並ぶ打線は、たとえ逆境に立たされても、ただでは終わらない底力がある。

 そして、その興奮が冷めやらぬ翌日19日はキューバを相手に14安打14得点と打線が爆発。前日に続きターナーが2ホーマーともはや手のつけられない状態に。あらためて「史上最強打線」との呼び声が、偽りではないことを証明してみせた。

 しかし、その称号も「優勝」のふた文字をつかむまでは本当の意味で手に入れることはできないはずだ。キャプテンのマイク・トラウト(エンゼルス)は、次のように語る。

「チャンピオンになれなければ、私たちのミッションは失敗なんだ」

 決勝戦でも、アメリカ打線は容赦なく侍ジャパン投手に襲いかかってくるだろう。

【要注意は恐怖の9番打者】

 ここで、あらためて史上最強打線を見てみたい。

 なんといっても今もっとも好調なのは今大会のHR王にして、チームトップの10打点を挙げるターナーだ。彼が9番に座る打線は脅威と言える。

 1番のベッツからトラウト、ポール・ゴールドシュミット(カージナルス)、ノーラン・アレナド(カージナルス)と続く右打者の並びも、今大会好調を維持している。昨シーズン、対左打者よりも右打者を抑えている今永だが、それでもこの4人には相当の神経を使うことになるだろう。

 キューバ戦で手にデッドボールを受けたアレナドの状態は明らかではないが、出場すればここまで打率.391と当たっているだけに怖い存在だ。

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