WBC準々決勝で激突のイタリアはどんなチーム? ピアッツァ監督を直撃「我々は失うものは何もない」 (3ページ目)

  • オカモト“MOBY”タクヤ●文 text by Okamoto “MOBY” Takuya
  • photo by Getty Images

 また、ア・リーグで2年連続シーズン最多バントを記録しているニッキー・ロペスは、スクイズを含む犠打は2つ、盗塁も3つ決めるなど、"スモール・ベースボール"で着実に点を加えていった。

 初戦のキューバ戦、タイブレイクに突入した10回表、無死二塁の場面。セカンドランナーだった今季MLB昇格が確実と言われている有望株のサル・フレリック(ブルワーズ傘下)が、先頭打者の初球に意表をついた三盗を成功させた。結局、イタリアがこの回一挙4点を挙げ、試合を決めた。

【失うものは何もない】

 そのイタリアだが、準々決勝で日本と戦う。ピアッツァ監督は、日本の印象について次のように語った。

「私は野茂英雄、吉井理人とバッテリーを組み、日米野球でも何度かプレーした。1996年には、まだアメリカに来る前のイチローを見ている。日本の選手たちは何ができて、何をしてくるかということはわかっている。彼らはよく訓練されており、ゲームの基本を熟知している。率直に言って、この25年の間で彼らはより強くなっている。

 スタッフが集めてくれたスカウティングに役立つものがあるのはうれしいが、勝つことが簡単でないのは理解している。日本の選手たちの何人かはメジャーでプレーし、優れた選手であることを証明している。ただ、日本の選手たちはファンの期待にも応えなければならない。だが、私たちは失うものは何もない」

 現役時代は、小松製作所のCMにも出ていたピアッツァ監督。日本のことはよく知っているということが、このコメントからもわかる。データを収集し、日本への対策を練ってくることは間違いなさそうだ。

 今回、イタリア代表に帯同していたイタリア系のベテラン男性記者は、初戦でキューバに勝ったあと、会見で選手たちにこんな言葉を投げかけた。

「イタリア代表としてプレーしてくれて、本当にありがとう!」

 また台湾戦に敗れたあと、ピアッツァ監督はこんなコメントを残した。

「イタリアで野球のルネッサンスを興すために、イタリア系アメリカ人の経験を必要としているのです」

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