WBC準々決勝で激突のイタリアはどんなチーム? ピアッツァ監督を直撃「我々は失うものは何もない」 (2ページ目)

  • オカモト“MOBY”タクヤ●文 text by Okamoto “MOBY” Takuya
  • photo by Getty Images

 なにしろ、イタリア代表の一番のビッグネームは、第1回WBCは選手として、第2、3回は打撃コーチとして、そして今回は監督として参加するマイク・ピアッツァである。

 プールAは台湾開催ということもあり、地元のメディアは多数駆けつけていたが、台湾が絡む試合以外は会見場もそこまで人は集まらず、常駐しているMLBのスタッフやチームに帯同している記者が質問をするという状況だった。そのなかで、日本からも数社ほど取材に来ていたが人数も少なく、ピアッツァ監督に質問することができた。

【スモールベースボールで突破】

 各選手に関する情報を十分に集めることが難しいと言われている国際大会。ほかのチームの守備シフトは基本的にオーソドックスだったが、イタリアだけは極端な内野守備シフトを敷き、かなりの確率で相手打者はその術中にはまっていた。この件についてピアッツァ監督に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「すばらしい3人のスタッフにより、相手打者が打球を放つと思われる最も効果的なポジションに守備陣を配置する。うまくいくこともあれば、そうでないこともある。それがベースボールだ。ただ、このスタッフたちをどれだけ誇りに思っていることか。彼らは数えきれないほどのアイデアを出してくれる。本当に準備万全なんだ。こんなすばらしいメンバーでパーティー(試合)を続けられるのは、本当にうれしいよ」

 大会を通じてチームスタッフの働きをねぎらい、彼らから提供されるさまざまな情報によって試合を進めていることがわかった。

 1次ラウンドの4試合で、イタリアのチーム打率は.283、本塁打ゼロ。一方で、全39安打のうちセンター方向の打球が半分以上の21本もあった。

「パナマ戦が無得点に終わり、フラストレーションがたまった。そこで作戦を変えなければならないと思ったんだ。だから、バッターにはフィールドいっぱいを使って、強いライナーを打ってくれと指示をした。ダブルプレーになってしまうこともあるが、恐れずにやってくれと。結果、クラッチヒットが何本か出た。ホームにランナーを還したかったし、なにより家に帰りたくなかった(敗退したくなかった)」

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