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ヌートバーの逆パターン。2013年WBCにブラジル代表として出場の松元ユウイチ「初戦が日本と決まってからは眠れない日もありました」 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi, Kyodo News

●日本との戦い「眠れない日もあった」

 そして、本大会の初戦の相手が日本に決まった。

「パナマで(本大会の)切符をとった時から、新たな気持ちで毎日を過ごしました。もうワクワクというか、ブラジルの野球をちょっとでも世界に見せたいと思っていました。

 初戦が日本と決まってからは眠れない日もありました。プレッシャーではなく、早くその日になってほしいという楽しみな気持ちが大きかったです」

 日本代表には対戦した選手も多く、松元の頭のなかにはデータがインプットされており、ミーティングではチームメイトと情報を共有した。

 一方で、本大会で4番に据わった松元は、やりにくさも覚えていた。

「言い訳になりますけど、キャッチャーが同じヤクルトの相川(亮二)さんだったので、自分のなかで考えすぎてしまった。日本代表のピッチャーは簡単には打ち返せないですね」

 そう話す松元が悔やむのは1回裏。1点を先制し、なおも走者を一塁に置いて打席を迎えた場面だ。

 田中将大を相手に、3ボール1ストライクからダブルプレーに倒れ、追加点のチャンスを潰した。

「あそこでゲッツーじゃなければ、もう少しいい流れで試合を運べたんですけど......」

 松元は、この試合、4打席ノーヒット。ブラジル代表も、安打数で日本代表を上回りながらも、逆転負けを喫した。

 結局、ブラジルは日本相手に善戦しながらも、本大会では1勝も上げることができなかった。

「最後までうまくいかず、本当に悔しかった。でもね、すごくいい経験だったなって思いますよ。ブラジルは弱い国と思われているかもしれないけど、世界が注目している舞台で、3試合ともいい試合できた。

 ブラジルで見ていた子どもたちにもいい影響はあったんじゃないかな。たぶんあそこからブラジルの野球も変わったと思いますよ」

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