ティモンディ高岸宏行、二刀流チャレンジの実感。成瀬善久らコーチの指導に驚き「プレーに変化が出てきた」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●文 text by Shiratori Junichi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

成瀬善久らから受けた指導に驚き

――初登板初先発の埼玉武蔵ヒートベアーズ戦(8月14日)のあと、成瀬善久投手兼任コーチは「高岸投手はスタミナが課題」とコメントしていました。ご自身の課題に対しては、どのように向き合っていますか?

高岸:今は「きちんと真っ直ぐを投げる」ことを重視した練習に取り組んでいます。スタミナに関しても、徐々にではありますが強化できている手応えがあって。実際に、試合で長いイニングを投げてみないとわからない部分ではありますが、順応してきているような感覚はありますね。

――チームではどのような練習をしていたんでしょうか?

高岸:投手と野手でまったく練習メニューは違います。野手は午前中に全体練習があって、その後に居残りで個人練習をするので、だいたい4〜5時間くらい。投手は2〜3時間くらいです。僕の場合は、体幹やダッシュといった体づくりのトレーニングや、投球練習などの個人練習に比重を置きながら、サインや牽制、連携プレーを確認するような感じでした。

――NPBでも活躍した成瀬さん、吉川光夫さんが投手兼任コーチを務められています。2人の指導を受けた印象は?

高岸:投手としての考え方の深さや、伝え方の幅の広さに驚かされました。例えば、「真っ直ぐ立つ」ことを指示する時にも、コーチたちは「木のように立つ」「背中に鉄板が入っているように立つ」といったように、さまざまな言葉で表現してくださるので動きのイメージが湧きやすかったです。

 選手としての実績も素晴らしいですが、指導者としても超一流だと感じました。僕自身、さまざまな発見があって、初めて野球を始めた時のような気持ちで取り組めています。今はそれらを吸収している段階ではありますけど、プレーに変化が出てきている感覚があります。

――高岸さんが目指す、理想の投手像は?

高岸:ボールを投げるたびに、みんなを鼓舞できるような投手ですかね。「高岸の投げる姿を見たら、元気や勇気をもらえる」という投手になれるように精進しています。

――初登板では、緊張している様子も感じ取れました。

高岸:お客様が見てくださっている球場でプレーするのは、僕にとって約10年ぶりのことだったので気持ちの昂りはありました。マウンドに上がった時の溢れ出てくる楽しさや、「よし、(投球を見ている人たちを)応援するぞ!」という強い気持ちになったことを覚えています。

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