岡田彰布が「屈辱やった」と語る突然の代打宣告。中村勝広監督との関係は冷めきり「現役を辞めてからもほとんどしゃべらんかった」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

 選手を指導する立場の人間が、ルールを守らない。それも自ら命じたルールだ。近年にない快進撃はしていても、チームはあまりいい方向に進んでいないと岡田は感じていた。

 7月の終わりに3番・パチョレック、4番・オマリーの打順が入れ替わった時は、両選手の意向を首脳陣が受け入れた形だったと知って、愕然とした。助っ人はそんなことが許されるのか......と。

 一方で岡田自身、グラウンド外で一時的に注目を浴びることになる。8月末の亡父の七回忌法要後、「オレの腹は決まっている」と発言。一部紙上で<岡田、今季限りで引退>の大見出しが躍り、他紙は<岡田、トレード志願か>と報じた。周りはそのように見ていたのだ。しかし本人は「辞めんよ。野球は必ず続ける」と、現役続行を誓って9月を迎える。

「その頃、えらい、優勝争いになってきて。オレ、代打出されてからやる気なかったけど、チームとして優勝かかってんやから。やっぱり、最後ぐらい貢献しようと思ってな。実際、横浜でホームランとか、結果出せたんよ。10月。それが、そのあとコーチがおかしなこと言うから、『もう試合出えへん』言うたんよ」

後編につづく>>

(=敬称略)

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