ヤクルト村上宗隆を少年時代に指導した松永浩美は驚いた。技術、パワー、人間力、すべてが「プロに向いていた」 (3ページ目)
22歳で到達した打撃の境地
バッティングに関しても、もともと身についていたことがあった。
「スイングする時に、バットのヘッドが寝ないで立ったまま出ていました。ヘッドが寝てしまう(地面と水平のラインよりも下がる)と、インパクトの際に力が入りにくいのですが、立っているとインパクトが力強くなります。ときどき、何も言わなくても身についている子がいるんですが、村上にも元から備わっていました。
ただ、バッティングフォームは変わりましたね。当時は腰を引いて体が『く』の字になるような感じで構えていましたが、今は真っ直ぐに立っている。それだけしっかり体ができてきたということですね」
今季はハイペースで本塁打を量産。日本人野手としては2002年の松井秀喜氏(元巨人、ニューヨーク・ヤンキース)以来となるシーズン50本塁打も射程圏内だ。村上の成長曲線はどこまで伸びていくのか。
「彼は、私が一軍の試合に出始めて6年目、25歳くらいの時に掴んだ感覚をすでにモノにしているように見えます。
ボールの高低、コース、球種などによってバッティングフォームは変わりますが、そのフォームは頭の中に絵として残ります。投手が投げた瞬間に、その絵を思い浮かべて再現する。その感覚が身につけば、相手バッテリーの配球などに惑わされることなく打つことができるようになります。
たぶん、村上はすでにそのくらいの領域まで達しているはず。まだ22歳というのがすごいですし、これからどんな成長を見せてくれるか楽しみです」
(敬称略)
◆松永浩美さんのYouTubeチャンネル「松永浩美チャンネル」
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