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中日の片岡篤史ファーム監督が語る根尾昂の投手転向。「同世代のなかでナンバーワンの投手」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 打者としてどうだったとか、投手としてどうだったとか、いろいろな見方ができますが、そこに答えはないと思います。バッティングだけでなく、守備でも同じことが言えますね。ショートとしてどうだったとか、外野手としてどうだったとか......。ただ、4年目としてそれぞれのプレーや結果、数字を見た時に、どの方向へ進むべきかという判断材料はある程度ありますし、それによる判断はできますよね。

――5月8日、甲子園でのウエスタン・リーグ阪神戦で2番・ショートで先発出場していた根尾選手を、10-4と中日がリードした9回にプロ初登板となるマウンドへ送り出しました。その時は、まだ野手としてもやっていくビジョンがありましたか?

片岡 その時はピッチングの内容がよければ、"二刀流"という大谷翔平みたいな感じではなく、基本的にはショートを守らせて、状況によってはリリーバーとしてマウンドへ上がってもらう、という起用方法も視野に入れていましたよ。ただ、負担は必然的に大きくなりますし、結果的に投手転向という判断に至ったんだと思います。

――間近で見ていて、やはり投手・根尾に魅力を感じた?

片岡 現時点で見ると、野手よりも投手のほうが完成度は高かったです。試合でも簡単にストライクゾーンに150km超えのストレートをコンスタントに投げていましたけど、そうそう簡単に投げられるものじゃないですし、伸びしろもすごくあると思います。

――シーズン途中に投手に転向したにもかかわらず、12試合に投げて防御率1.74(7月30日時点、以下同)と安定したピッチングを続けています。また、マウンドに上がる度にそれまでの課題をクリアし、着実に成長していっているように見えます。

片岡 シーズンの途中から投手をやって、普通に投げているわけじゃないですか。それは本当にすごいことだと思います。私が特にすごいと思うのは、プロのなかでどちらかというと体の線が細いのに、あれだけ力強いボールが投げられるということ。投げるスタミナなどはまだまだこれからですが、投手としての経験を積み上げていくことで、今後への可能性と期待は非常に大きくなると思います。

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