中日の片岡篤史ファーム監督が語る根尾昂の投手転向。「同世代のなかでナンバーワンの投手」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

中日・ファーム監督
片岡篤史インタビュー 前編

 シーズンの途中で、外野手から投手に登録が変更された中日の根尾昂。150km超えの力強いストレートを投げ込み、キレのあるスライダーで空振りを奪うなど、かねてから投手としてのポテンシャルの高さを示していたが、投手転向は多くの野球ファンを驚かせた。

 中日の片岡篤史ファーム監督に、野手としての根尾が課題としていたこと、投手として秘めるポテンシャル、甲子園で行なわれたウエスタン・リーグの試合で、マウンドに投手・根尾を送り出した時のことなどを聞いた。

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――野手としての根尾選手は、どんな部分が課題だったのでしょうか?

片岡篤史(以下:片岡) 根尾は今年で4年目ですが、これまでの打者としての成績を振り返ると、ほとんど変わっていません。これは根尾に限ったことではないのですが、プロに入ったら「どんなタイプの打者を目指すべきなのか」をはっきりさせる時期にきたと思っていました。

 根尾の場合は、高校時代にホームランを打てる打者(高校通算32本塁打)でしたよね。多くの高校でスラッガータイプだった打者が、プロに入ってから壁に当たることは非常に多いんです。僕から見れば、根尾はプロに入ってからの3年間、長打やホームランを打てるバッティングを追い求めていたのかなと思います。

――具体的にバッティングの課題がどうこうというよりも、これまでの成績が判断材料になった?

片岡 もちろん、伸びしろを考えたり、3年間の結果を見て判断するんですが、「まだ野手でやりたい」という根尾の希望もあったと思います。ただ、今後のことを考えた時に、「野手よりも投手のほうが大成するのでは?」と首脳陣が判断したのだと思います。

 あと、根尾の投手としてのポテンシャルの高さです。根尾の同世代には吉田輝星(日本ハム)や柿木蓮(日本ハム)など多くの好投手がいましたが、同世代のなかで根尾がナンバーワンの投手だと思うんです。

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