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濱中治が阪神の前半戦を分析。「納得できなかった」大山悠輔の起用法、佐藤輝明の「対応できていない」課題を語った

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

濱中治が語る阪神の前半戦総括&後半戦展望 前編

阪神がスタートダッシュに失敗した理由

――スタートダッシュにこそ失敗したものの、その後は驚異的な追い上げを見せている現在の阪神タイガースですが、OBである濱中さんは、ここまでの戦いぶりをどのようにご覧になっていますか?

濱中 開幕9連敗があって、一時期は「借金16」という状況から、借金0の勝率5割まで戻すことができたことはすごく評価できるところだと思います。

ホームランを打った大山悠輔(右)を祝福する佐藤輝明ホームランを打った大山悠輔(右)を祝福する佐藤輝明この記事に関連する写真を見る――あらためて、3月25日の開幕戦からここまでの道のりを振り返りたいのですが、スタートダッシュのつまずきの原因からお聞かせください。

濱中 そもそもの始まりは開幕戦でしたね。8-1と7点ものリードを守り切れずに大逆転負けを喫しました。これはかなり後に尾を引く負け方でした。開幕戦を託されていた青柳晃洋が新型コロナウイルスに感染したことで、急遽、藤浪晋太郎が登板することになって手痛い敗戦。第2戦はプロ3年目の小川一平、第3戦はルーキーの桐敷拓馬が先発しましたが、若手投手ではヤクルトの勢いを止められなかった。コロナ禍によるものとはいえ、開幕ローテーションの組み方に問題があったような気がしますね。

――開幕時にクローザー候補と目されていたカイル・ケラー投手については、開幕戦でのリリーフ失敗を踏まえて、「調整不足だったのでは?」とも言われていました。

濱中 そうですね。現在のケラーを見ていると、開幕時はなかなかクローザー候補が定まらない中で、調整不足のままケラーに任せざる得ない状況で結果が出なかった。「8回は岩崎優」というのは決まっていても、「9回を誰にするのか?」というところは確定せず。首脳陣としてもバタバタした状態だったのではないかと思います。それが結果的に開幕9連敗を招いてしまいました。

――開幕時点での、いわゆる「勝利の方程式」はどんなイメージだったのでしょうか?

濱中 本来であれば、7回は(ラウル・)アルカンタラ、もしくは岩貞祐太、8回が岩崎、そして9回がケラーだったんじゃないでしょうか。ただ、アルカンタラも岩貞も出遅れてしまい、なかなか後ろが確定しない。それでバタバタだったと思いますが、後ろが決まり始めてからは一気にチーム状態はよくなってきましたね。

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