2022.07.29

阪神の大逆転優勝はあるのか。OB濱中治が考える戦い方「カギはドライチトリオになる」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

濱中治が語る阪神の前半戦総括&後半戦展望 後編

(前編:「納得できなかった」大山悠輔の起用法、佐藤輝明の「対応できていない」課題>>)

開幕前の「矢野監督退任騒動」について

――今シーズン開幕前の時点で、矢野燿大監督の今季限りでの退任が決まっていました。これはかなり異例な事態だと思いますが、濱中さんはどのように受け止めていますか?

濱中 僕も、正直かなりビックリしました。あれはキャンプイン直前の1月31日のことでしたけど、「さぁ、これからキャンプだ」と気持ちが入っている時期での退任発表は、選手からしたら戸惑いのほうが大きかったと思うし、決して士気が上がるものではなかったと思います。

 もし僕が現役選手だったとしても、かなり戸惑っていたと思います。「今季限りで辞める」という監督に対して、どうやってついていけばいいのか。下手をしたら、「投げ出しちゃったのかな?」と捉えられかねないですからね。

後半戦も活躍が期待される(前列左から)湯浅京己、青柳晃洋、(後列左から)佐藤輝明、近本光司後半戦も活躍が期待される(前列左から)湯浅京己、青柳晃洋、(後列左から)佐藤輝明、近本光司 この記事に関連する写真を見る ――この発言が、結果としてスタートダッシュ失敗に結びついてしまったという可能性はありますか?

濱中 あると思います。何をどう信じて、何をすればいいのか、どんな気持ちでプレーすればいいのか。そのあたりが見えずに、地に足がつかないままフワフワした状態で開幕を迎えてしまった気がします。

――これは想像になってしまいますが、どうして矢野監督はシーズン前での退任発表をしたと思われますか?

濱中 矢野監督はずっと「予祝」ということを大事にしてきました。「あらかじめお祝いする」ことの集大成として、あの時期の発言に繋がったのかもしれません。ただ、やはり選手やコーチたちにとっては気持ちの面で難しかったと思いますが。

――さて、前半戦を振り返ってみると、広島東洋カープ相手に2勝11敗2分と大きく負け越しています。後半戦の巻き返しはここが大きなポイントとなると思われますが、ここまで大差がついてしまった原因は何だと思われますか?

濱中 何でしょうね、僕にもよくわかりません(笑)。個人的にはなぜか、(ライアン・)マクブルームによく打たれている印象があるし、マツダスタジアムでは阪神打線が沈黙してしまうイメージがありますね。僕が現役だった頃は、現在のバンテリンドーム(当時のナゴヤドーム)ではなかなか打てなかったし、勝てなかったんですけど、選手たちだけでなく、首脳陣の中にも苦手意識が芽生えてしまっているのかもしれません。