阪神の大逆転優勝はあるのか。OB濱中治が考える戦い方「カギはドライチトリオになる」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

後半戦開幕のヤクルト戦がポイントに

――何か打開策はありますか?

濱中 こういう時には「意識的に試合を動かそう」としたほうがいいと思いますね。意識的に盗塁を試みる、普段よりもヒットエンドランを多用するといったように、積極的にこちらから仕掛けていくこと。秋山翔吾も加入して、さらに厚みを増した広島は要注意ですけど、互角に戦うことができれば貯金も増えるわけだから、後半戦は「対広島」が大きなポイントになるでしょうね。

――前半戦の終盤は投打の歯車も噛み合った理想的なゲーム展開が続きました。オールスターブレイクを挟んでもなお、この勢いは続くと思いますか?

濱中 いい形で勝っていたので、タイガースとしてはオールスターブレイクを挟むことなく、ずっと試合が続いたほうがよかったと思いますね。だからこそ、僕が一番注目しているのは、後半戦のスタートとなる本日7月29日からの対ヤクルト戦です。ここでタイガースが3連勝すれば、「よし、これでいけるぞ!」というムードが一気に高まる。選手たちはもちろん、ファンにとっても大きな3連戦になるでしょう。

――前半戦終了時点で、首位ヤクルトとは11ゲーム差がつきました。この差を縮めていくためにはどうすればいいと思いますか?

濱中 繰り返しになりますが、後半戦スタート3連戦を3連勝すること。直接対決で3連勝すれば、その差は一気に8ゲームになります。そうなればムードが高まってくる。こうしたムードはとても大事です。仮にこの3連戦を2勝1敗で終えたとします。すると、ゲーム差は10。ゲーム差が2ケタあるのは心理的にも、実際にもキツイですよ。そういう意味でも、ヤクルトとの3連戦、特に初戦は絶対に落とせません。

――オールスターゲーム初戦に先発して2イニングを投げた青柳晃洋投手ではなく、西勇輝投手の先発が発表されています。

濱中 ここは西のピッチングに期待したいし、さらに(ジョー・)ガンケルも伊藤将司も万全の状態で登板するでしょうから、いずれにしてもタイガースとしてはベストの布陣で勝負をかけると思います。タイガースは残り49試合。この時点で11ゲーム差ですから、残りを35勝はするつもりで向かっていってほしいですね。ヤクルトとしては「3タテを喰らわなければいい」という心境だと思うので、この3連戦は本当に重要になります。

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