川崎憲次郎が「藤川球児くらいのボールを投げられる」と評した投手など前半戦のセ・リーグで注目した8人 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

高卒2年目で10勝できる素質

 阪神OBの藤川はホップ成分の多い"火の玉ストレート"を武器にした。湯浅はすでに最速156キロを計測しているが、川崎氏が指摘するように投球メカニクスをさらに改善できれば、球質的にもさらに突き抜けられる素材だろう。

"ダイヤの原石"という意味で、今季のセ・リーグで川崎氏が最も熱視線を注いでいるのが、中日の髙橋宏斗だ。

「ストレートはセ・リーグのなかでもかなりすごいですよ。みんな、振り遅れていますからね。ストレートが来るとわかっていても打てないような球です。

 変化球も指にかかった時はキレがありますね。ただ、かけ損ないがあるので、そこが注意点です。彼の素質であれば、高卒2年目で10勝してもおかしくないと、開幕前から思っていました」

 髙橋は今季開幕2戦目に一軍デビューを飾ると、基本的に登板間隔を10日以上空けて先発マウンドに立ってきた。ここまで11試合で2勝4敗、防御率3.06と悪くない数字だが、川崎氏は期待が大きいぶん、もっと質の高い投球を披露できるはずと見ている。

「オープン戦でもすごくよかったです。髙橋は光るものを持っているので、見る人を引きつけると思うんですよね。そういう意味では、開幕前に思ったほどのピッチングはまだ見せていません。

 理由はプレッシャーなのか、体力的な部分か......。改善点を挙げると、体の線が少し細いところですね。今でも186cm、86kgと数字的にはありますが、見た感じとしてはあと10kgくらい増やしてもいい。そうするとストレートも最後のひと押しが効くので、すごくいいピッチャーになるでしょうね。ここ2、3年が勝負かなと思います」

 髙橋は開幕直後から十分に登板間隔を空けて起用されるなか、球数がかさんで5、6回で交代する試合が続いた。それが中8日といつもより短い期間で登板した7月7日のDeNA戦では、7回までに90球を投げて被安打3、無失点と今季一番の投球を披露している。

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