交流戦でパッとしなかったパ・リーグ。高木豊が指摘する各チームの課題と「浮上しそうな球団」は? (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

ロッテは打線向上。佐々木に勝ちを

――セ・リーグの各球団に対する山本由伸投手の投球の印象はどうでしたか?

高木 山本は安定した力を見せていましたが、セ・リーグの打者もついていっていましたよね。ロッテの佐々木朗希にも勝ちをつけませんでしたし。

――確かに、佐々木投手は交流戦3試合に登板して未勝利。山本投手は3回登板して1勝、ソフトバンクの千賀滉大投手は2回登板して1勝、田中投手も3回登板して未勝利。パ・リーグのエースたちを相手に、セ・リーグの各打者が対応していた印象です。

高木 セ・リーグの打者たちは技術が高いですし、柔軟にバッティングを変えられます。情報がこれだけ出回っているので、球筋や球速に対して十分なインプットと準備ができたでしょうから、やりにくくはなかったはずです。

――投げるほうのオリックスのキーマンは、やはり山本投手ですか?

高木 そうですね。山本をはじめ、投手力のレベルは高いです。打つほうでは、なんといっても吉田正尚の復調が必須。あと、紅林弘太郎が打率.162と不振ですが、リーグ優勝を狙うためには必要な選手です。

――ロッテは10勝8敗で、パ・リーグの球団では唯一の勝ち越し。シーズン序盤から打撃が低調でしたが、ようやく打線がつながるようになりました。

高木 やっと打てるようになってきましたね。特に(ブランドン・)レアードが当たりだして、(レオネス・)マーティンも悪くない。ただ、チーム全体としてエラーが目立つということと、やはり佐々木に勝たせてやらないといけませんよね。佐々木が投げる時は相手投手も気合いが入るので簡単ではありませんが、野手が相手を上回る気合を見せて、打って勝たせてやらないと。

――佐々木投手が投げる試合で勝たないと上には行けない?

高木 それもありますが、6月10日のDeNA戦で小島和哉がやっと初勝利を手にできたことで流れが変わると、チームも楽になるかなと思います。日本ハムの上沢直之も開幕からずっと勝てずにいたのに、ひとつ勝てたことで5月の月間MVPに選出されるくらい流れが変わりましたからね。

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