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高木豊がセ・リーグの交流戦を総括。最下位の広島が「真っ先にやめたほうがいい」起用法、ヤクルト追走の一番手の球団とは? (5ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

阪神は足を使って点が取れる

――交流戦を9勝9敗で終えたDeNAは、6月7日の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成するなど今永昇太投手が安定感抜群でした。打つほうでは、佐野恵太選手が打率.333、牧秀悟選手が6本塁打を放つなど打線を牽引しました。

高木 今永はよかったですし、大貫晋一もカード頭で投げてしっかりと仕事をしました。先発投手陣はそんなに悪くないのですが、采配面が気になります。例えば6月12日のロッテ戦で、2点ビハインドで迎えた8回表に一死満塁で牧が打席に立ち、カウント3-0の場面で打ちにいって併殺打になった。カウントが3-1になっても状況が大きく変わらないシーンでしたし、3-0から打たせたのは不可解でした。

 その前日のロッテ戦も、1-1の同点で迎えた9回表の一死一塁で、蝦名達夫になぜ送りバントをさせなかったのか。前の打者の関根大気がバントを失敗したとはいえ、そこで送れば次は4番の牧でしたから、スコアリングポジションに何としても送っておきたかった。今年はちょっとした違和感がある采配が勝敗を分けている印象があるので、もう少し繊細にやってもいいんじゃないかと思います。

――DeNAの打線は、いかに牧選手につなげるかがポイントになりますか?

高木 5番の宮﨑敏郎も好調ですしね。ただ、1番に桑原将志が入らないとダメですよ。現在1番を打っている佐野は2番か3番にするべきです。(6月7日の)日本ハム戦の9回表、先頭打者の佐野がヒットで出塁した後に代走を送られていましたが、代走を送られる1番打者を初めて見ました。やはり適材適所で選手を配置するべきです。佐野は出塁に関してはいいんですが、走塁面で"渋滞"が始まったら困ってしまいますよね。

 桑原は昨年3割を打っているし、復調して1番を打つようになったらもっと怖い打線になりますよ。関根でもいいとは思うのですが、そのあたりの選手が打線のカギを握っていると思います。

――最後に阪神ですが、12勝6敗で交流戦2位。リーグでも4位に浮上しました。好調の要因は?

高木 やはり大山悠輔です。彼が打つと強いですね。あとは島田海吏、中野拓夢、近本光司と、走力が高い選手を上位に並べたこと。今年は投手の好投が目立っているように、なかなか点が取れない試合が多かったですが、足を使って点を取れる力はセ・リーグの中で阪神が一番だと思っています。

 交流戦では、チャンスで佐藤輝明や大山によくまわっていましたね。それが今後も続いて、2人が結果をしっかりと出せば、阪神は浮上していくと思います。

――島田選手が6月1日から1番に起用され、同日からの11試合で9勝2敗と勝ち越し。交流戦の打率は.316と当たっていました。

高木 島田の1番起用は当たりましたね。あと、取り上げるべきは6月11日のオリックス戦での熊谷敬宥の走塁ですよ。延長11回表に代走で出て盗塁を仕掛け、捕手の送球が熊谷のヘルメットに当たってセンター方向へ跳ねた隙に、一気に本塁を陥れました。阪神はそういった野球ができるんです。打てない時でも足を使った攻撃ができるので、絶対に順位も上がっていくはず。ヤクルト追走の一番手は阪神じゃないかと思っています。

(パ・リーグ編:各チームの課題と「浮上しそうな球団」は?>>)

元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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【画像】ただ「足が速い」わけではない。高木豊が選んだ「走塁がうまい」選手たち

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