高木豊がセ・リーグの交流戦を総括。最下位の広島が「真っ先にやめたほうがいい」起用法、ヤクルト追走の一番手の球団とは? (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

中日・立浪監督は偉大すぎる?

――同じく交流戦で7勝11敗と負け越した中日。出だしはよかったものの、最後は6連敗と失速し、セ・リーグ最下位に沈みました。

高木 まず、早々に打撃コーチを入れ替えましたよね(5月23日、中村紀洋一軍打撃コーチが二軍打撃コーチとなり、波留敏夫二軍打撃コーチが一軍打撃コーチとなった)。そうなるとチーム内は「大丈夫か?」という空気になります。加えて、負けが重なったためか、雰囲気がピリピリしているように感じます。

 立浪和義監督は偉大な選手でしたし、中日にとっては"最後の切り札"とも言える存在で、選手も一目置く指揮官です。そんな監督は普通に話すだけでも緊張感が出てしまうものなので、もう少し"バカ"になってやったほうが選手も気楽にできると思うんです。

――鵜飼航丞選手や岡林勇希選手、髙橋宏斗選手など、積極的に若手を起用していますね。

高木 そうですね。鵜飼が(野手ワーストタイの)9打席連続三振を喫した時には「彼は(しっかりバットを)振っている」とコメントするなど、選手を守ろうとする姿勢も見えます。ただ、まずは立浪監督自身が「選手からどう見られているか」を知るべきかなと思います。

 選手と距離を取っているわけではないと思いますが、そう感じている選手も多いんじゃないかと。PL学園の主将として甲子園で優勝し、高卒ですぐにレギュラーになって、球史に燦然と輝く成績を残した立浪監督の偉大さがそうさせているとも言えますが......もう少し雰囲気を"選手寄り"にしたほうが、特に今の時代はいいかもしれません。

――中日が巻き返すためには、大島洋平選手の復調も欠かせませんね。

高木 やはり大島がもっと引っ張っていかなければいけませんね。ケガ明けから元気がなくて24打席ヒットがありませんでしたが、ロッテ戦で久々にヒットが出て以来、徐々に打ち始めました(6月8日のロッテ戦から5試合連続安打)。

 投げるほうのキーマンは、大野雄大です。大野は一生懸命投げているのですが、味方が点を取れないからいつも苦しい。木下拓哉もいい捕手だし、(ダヤン・)ビシエドもよくやっている。阿部寿樹は外野に回されそうなところを、高橋周平のケガをきっかけに生き返りました。ただ、守りの中心であるべきショートは京田陽太が二軍に降格し、三ツ俣大樹や溝脇隼人もまだまだ不安というのが苦しいですね。

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