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元オリックス川口知哉が明かす高校時代のビッグマウス発言の真相。「思っていることを正直に口にしただけ......」 (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sankei Visual,Tanigami Shiro

── それだけの練習をやったからこそ、夏の準優勝があったと。

「『こんな練習をやったヤツはほかにおらん』っていう気持ちにはなりました。だから『負けたくない』ではなく『負けるはずがない』と。3年の夏のチームは、どんな相手がきても勝てるっていう気持ちになっていました。」

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── その自信が言葉にも出た。当時、川口さんの発言は"ビッグマウス"と注目集めました。

「自然と口から出ていましたね。大会前は『全国制覇をするためだけに来ました』と。それだけのことをやってきましたし、普通にそう思っていました」

── 夏の甲子園2回戦(高知商戦)の試合後に出た「次は完全試合」発言も自然と?

「大会前から『常に完封と三振10個以上を狙っています』って言ってたんです。そのノルマを高知商戦でクリアしたら、試合後に報道陣から『新たに目標を立てるとしたら?』と聞かれて、僕としては次も完封と三振10個でよかったんですけど、大きな目標って聞かれたので『完全試合です』と。でも、僕的には無茶なことを言ったつもりはまったくなかったんです。調子がよかったら『完全試合もいける』くらいの感じはありましたから。思っていることを正直に口にしただけで、僕からしたらビッグマウスでもなんでもなかったんですけどね」

── ビッグマウスのイメージはつきましたが、実際には妥協することなくやりきった3年間だったのでしょうね。

「勘違いするなんてことはまったくなかったですね。中学の時の実績もなく、それが入部して10日ほどした時に練習試合に先発させてもらったら完封。あれで僕の野球人生が一気にひらけて、1年夏に背番号1をもらった。じつはその夏、もうひとつ決定的な出来事があったんです」

── 南京都高校に初戦敗退。試合後、怒った"平安ファン"が原田監督と怒鳴り合いになったという一戦ですね。

「騒動を見て『監督にこんな思いをさせたらアカン。絶対に勝って見返したる』と強く思いましたね。それともうひとつ、あの試合は僕にとって大きな意味があったんです」

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