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開幕11連敗を喫したロッテ山本功児監督が決断した「荒療治」。リリーフだった清水直行に「先に投げろ」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

今の阪神には「おすすめできない」

――その試合、清水さんは6回1/3を投げて1失点に抑える好投。連敗をストップさせましたが、山本監督からはどんな言葉をかけてもらいましたか?

清水 「よう投げた」と手放しで褒めていただいて、遅ればせながらもシーズンのスタートを切れたことに安堵されていました。小林雅さんからは「これからは先発だな」みたいなことを言われましたね。

 その日の投球がきっかけで自分が先発に復帰したことによって、小林宏之がリリーフに入ることになり、当時は吉田篤史さんや藤田宗一さんといったバリバリのリリーバーもいたので、自分は「心おきなく先発に戻ります」という感じでした(笑)。

――その年、清水さんは14勝を挙げてロッテのエースになるわけですね。ちなみに阪神は、西投手が完封勝利を挙げて連敗を脱出しましたが、仮に阪神の連敗が続いていた場合、当時のロッテのような"荒療治"は打開策としてどうですか?

清水 手段のひとつではありますが、おすすめはできません。当時の連敗中のロッテはほとんど打てなかったので4番を替えたこともありましたし、投手も打ち込まれていたので思い切ったことができましたが、今の阪神は投打ともにそこまでひどい状態ではないと思います。連敗を止めた西のように安定した投球を続けている投手もいますし、先発が崩れそうな場合も少しずつ早めにリリーフ陣につないでいくとか、違う方法があるんじゃないかと思います。

――開幕からの連敗とは属性が違うとは思いますが、ロッテは開幕11連敗を喫した2002年からさかのぼること4年前、1998年の6月から7月にかけて18連敗を喫していました。

清水 18連敗した時は、まだ自分は入団していないので聞いた話になりますが、シーズンがある程度進んでからの連敗と開幕からの連敗は、みんなが"別物"という感覚だったみたいです。開幕からの連敗のほうが、やはり重たかったようですね。

 ただ、2002年は自分も若かったこともあって、とにかく目の前のことに必死でした。今思えば、連敗を止めることになった登板が先発に戻るきっかけになりましたし、印象に残る登板でしたね。

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