佐々木朗希が「エース」と呼ばれるには? ロッテの元18番・清水直行が語る「エース論」と、他に注目する若手投手2人

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

プロ野球2022開幕特集

元ロッテの背番号18
清水直行インタビュー 後編

(前編:佐々木が1年ローテーションを守るための「改善の余地」>>)

 ロッテにとどまらず、日本を代表するエース候補としても期待されている佐々木朗希。ロッテで長らく背番号「18」を背負い、5年連続二桁勝利、通算105勝を挙げるなど輝かしい成績を残した清水直行に、佐々木が今後「エース」と呼ばれるために必要なこと、さらに注目している若手投手について聞いた。

ロッテのエースとして活躍した清水(右)とバレンタイン監督ロッテのエースとして活躍した清水(右)とバレンタイン監督この記事に関連する写真を見る「チームのなかで、開幕戦だったり優勝がかかる試合だったり、大事な試合は『朗希でいいんじゃない?』と言われるようになったら、それがエースなんだと思います。自分から『俺が投げる』などとは言わず、『ここは朗希だな』と周囲に自然と思わせることが第一。まずは自分がやるべきことをしっかりとやって、リーダーシップも発揮しつつ、責任を果たしていかなければなりません。今は、とにかく任された目の前の1試合を一生懸命に投げることですね」

 そうエースの条件について述べた清水は、エースたるべき"姿勢"についても口にした。

「痛いことやつらいことがあったり、『今までやってきたことが間違いだったのかな?』と思ってしまったり、ノックアウトされて心が折れそうな試合も今後はたくさん経験することになると思います。しかしそこで、しっかりと前を向いて胸を張って、下を向いている姿を見せないことが大事。戦っている背中は野手にも伝わりますし、ほかの投手たちにも伝わるので。そういったことができる投手になってほしいなと思います。

 当然のことですが、相手チームの野手も死に物狂いで練習していますし、打たなければクビになるので必死です。そこで大切なのは、『やられても、絶対やり返してやる』という闘争心を持ち、それを試合で出していくこと。逃げないことです。逃げの姿勢が見えるとチームの士気にかかわります。それを見せずに闘争心を出せる投手がエースと呼ばれ、投手陣を引っ張っていけるのだと思います。

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