元ロッテ投手コーチ清水直行が分析する佐々木朗希。1年ローテーションを守るには「改善の余地がある」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada
  • Tetsuo photo by Sankei Visual

プロ野球2022開幕特集

元ロッテの背番号18
清水直行インタビュー 前編

 オープン戦で160km超えのストレートを連発するなど、圧巻の投球を見せて順調な仕上がり具合を感じさせるロッテの佐々木朗希。今季は先発ローテーションの軸として、シーズンを通しての活躍が期待されている。

オープン戦で好調を維持するロッテの佐々木オープン戦で好調を維持するロッテの佐々木この記事に関連する写真を見る 長らくロッテのエースとして活躍し、2018年、2019年にはロッテの投手コーチも務めた清水直行に、佐々木の現在の状態や今後の課題について語ってもらった。

「僕はちょうど朗希の入団と入れ替わりだったので、コーチの立場としてではなく外から見ていました。プロ入り1年目は大事に過ごし、昨年は試し試し投げているような印象でしたね。変わり始めたのは去年の阪神戦(2021年5月27日に甲子園で登板)あたりからです。投手目線で見ていて、『怖がるようなピッチングをしなくなったな』と。

 打たれる、打たれないということや、自分の体調といったことも含めて、緊張感や不安感がぱっと消えたように感じました。メンタルの部分で、体のことを気にすることなくゲームに入っていけるようになり、本来の伸びのあるストレートが見られました。欲を言えば、6回や7回ではなく、もっと投げてほしいですけどね。

 中10日空けたというのはプログラムのひとつなので、これでいいと思って見ていましたけど、投げるのであればもう1イニングくらい、投げきる姿を見たいと思っていました。おそらく今年はそれも見られると思うので楽しみにしています」

 現役時代、先発投手として通算105勝(完投数39)をマークした清水は、長いイニングを投げる上で注目すべきポイントをこう語る。

「先発投手は1試合を投げきる間に、最低でもピンチが3回くらいあるとも言われています。単純計算で、昨年の彼はそれが2回くらいで終わっているということ。なので、7回、8回、9回まで投げる時に、最後のギアをぐっと上げる能力が備わっているのか、というのは今年注目しているところです。

 マイペースな性格どおり淡々としたピッチングで、そのなかでもすごみはもちろんあるんですけど、"こなして"終わっている印象もあります。ピンチになったり、打たれて思うようにいかなかったりした時に、どれだけギアが変わるのか。それを見てみたいですね」

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