元ロッテ投手コーチ清水直行が分析する佐々木朗希。1年ローテーションを守るには「改善の余地がある」 (3ページ目)
球速を少し抑えたとしても低くコーナーに
佐々木は今年、カーブを織り交ぜるなど緩急を意識した配球も散見される。現役時代にカーブを含む多彩な球種を操っていた清水は、カーブを取り入れるメリットをこう説く。
「料理にたとえると、カーブは"いい調味料"なんです。ストレートやスライダー、フォークという構成にカーブがぽんっと入ると、ぐっとバランスが整って、淡白なピッチングにうまみが出る。なので、カーブを投げているのはすごくいい取り組みだと思います。
特にマリンスタジアムで投げる場合、カーブを持っているなら絶対に投げたほうがいいですよ。マリンでいい風が吹いている時に、カーブはよく曲がるので有効ですから。ストライクを取るカーブ、ワンバウンドするカーブ、打者にとって忘れた頃にくる目線を変えるカーブだったり、いろいろな使い方ができる変化球なので、ぜひトライして精度を上げていき、引き出しを増やしてほしいですね」
打者は160kmを超えるストレートでも徐々にアジャストしてくる。昨年、佐々木のストレートの被打率は.308と痛打される場面も見られたが(投球割合が約60%と高いことも要因と考えられるが)、今後は配球や緩急はもちろん、球質の向上も求められる。
「球の速さは確かに武器ですが、速ければ抑えられるほど甘くはありません。160km前後のストレートを投げる上で、今後は球質がテーマにはなってくると思います。シュート回転すること、ボールの高さといったところは改善の余地があります。160kmのボールを低めに投げられたら、なかなか打つのは難しい。スピードを維持しながら、いかに低く集めていけるかがポイントになるでしょうね。
ただ、それによって朗希の長所が消えるのであれば本末転倒。あくまで自分のいい部分を中心に考えた上で、ボールひとつ分、無理だったら半分でも低く投げていく意識を持つことで、徐々に改善されていくんじゃないかなと思います。すでにものすごいストレートを投げていますが、コーナーを突く際に、腕の振りを変えず、球速を少し抑えたとしても低くコーナーに投げられれば、もう1、2段、投手としてのステージを上がっていけると思います。
朗希にしてみれば、初めて"チームの戦力"という意識で臨むキャンプやオープン戦だと思います。なので、『ちょっと飛ばしすぎかな』と思っている部分もあるんですけど、今年はやはり気持ちがまったく違うんだろうな、と感じています」
(後編:佐々木朗希が「エース」と呼ばれるには?>>)
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