他球団は「まとまっているだけ」と指名回避。巨人・赤星優志が豪速球はなくても勝てる理由
「今回の(支配下)ドラフトで、ジャイアンツは7人の投手を指名しましたが、最初に(一軍に)出てくるのは......3位の赤星くん」
昨年秋のドラフト当日から、何度か呼んでいただいている『スポーツ報知』のYouTube番組のなかで、そんな話をしたのは、たしか2回目の時だ。
「ええっ、1位の翁田大勢じゃないんですか?」と驚かれたが、3位の赤星優志を推したのは、それなりに確信があった。
日本大学の赤星優志は「ピッチングという仕事」のできる投手......そんな姿を昨年の東都大学のリーグ戦のなかで、何度か見ていたからだ。
4月3日の阪神戦でプロ初勝利を挙げた巨人の赤星優志この記事に関連する写真を見る
プロ2戦目で待望の初勝利
今季のペナントレース、3月27日の中日戦に先発し、6イニングを5安打5奪三振(無四球)で1失点に抑え、それから1週間後の4月3日の阪神戦で、今度は阪神打線を7イニング4安打4奪三振(2四球)に抑えて、早くもプロ初勝利を挙げた。
中日戦は6イニングを85球、阪神は7イニングを101球......どちらもバックに負担をかけないチームメイト思いの内容で、ローテーションの一角を確実にするピッチングをやってのけた。
初球をストライクで入れる投球は、学生時代から赤星の大きなアドバンテージだ。阪神戦では、対戦した27人の打者に対して、じつに17人に「初球ストライク」で入った。
145キロ前後の速球にカットボール、ツーシームを速球のように頻繁に使い、あいだにカーブとフォークを挟んで30キロほどの緩急をつくり、バットの芯を外していく。
初球でストライクがとれる最大の強みは、2球目に「くさい(際どい)ボール」を使えることだ。打者は2球で追い込まれたくないから、そのくさい球につい手を出してしまい、ファウルとなって追い込まれたり、打ち損じの凡打に終わったりする。
阪神戦では、そんな場面が何度もあった。
6回に糸井嘉男に2ランを浴びてつかまったかと思ったら、次の7回、先頭の木浪聖也に対する攻め方は、まさに赤星の真骨頂だった。
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