2022.04.10

他球団は「まとまっているだけ」と指名回避。巨人・赤星優志が豪速球はなくても勝てる理由

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

「今回の(支配下)ドラフトで、ジャイアンツは7人の投手を指名しましたが、最初に(一軍に)出てくるのは......3位の赤星くん」

 昨年秋のドラフト当日から、何度か呼んでいただいている『スポーツ報知』のYouTube番組のなかで、そんな話をしたのは、たしか2回目の時だ。

「ええっ、1位の翁田大勢じゃないんですか?」と驚かれたが、3位の赤星優志を推したのは、それなりに確信があった。

 日本大学の赤星優志は「ピッチングという仕事」のできる投手......そんな姿を昨年の東都大学のリーグ戦のなかで、何度か見ていたからだ。

4月3日の阪神戦でプロ初勝利を挙げた巨人の赤星優志4月3日の阪神戦でプロ初勝利を挙げた巨人の赤星優志 この記事に関連する写真を見る

プロ2戦目で待望の初勝利

 今季のペナントレース、3月27日の中日戦に先発し、6イニングを5安打5奪三振(無四球)で1失点に抑え、それから1週間後の4月3日の阪神戦で、今度は阪神打線を7イニング4安打4奪三振(2四球)に抑えて、早くもプロ初勝利を挙げた。

 中日戦は6イニングを85球、阪神は7イニングを101球......どちらもバックに負担をかけないチームメイト思いの内容で、ローテーションの一角を確実にするピッチングをやってのけた。

 初球をストライクで入れる投球は、学生時代から赤星の大きなアドバンテージだ。阪神戦では、対戦した27人の打者に対して、じつに17人に「初球ストライク」で入った。

 145キロ前後の速球にカットボール、ツーシームを速球のように頻繁に使い、あいだにカーブとフォークを挟んで30キロほどの緩急をつくり、バットの芯を外していく。

 初球でストライクがとれる最大の強みは、2球目に「くさい(際どい)ボール」を使えることだ。打者は2球で追い込まれたくないから、そのくさい球につい手を出してしまい、ファウルとなって追い込まれたり、打ち損じの凡打に終わったりする。

 阪神戦では、そんな場面が何度もあった。

 6回に糸井嘉男に2ランを浴びてつかまったかと思ったら、次の7回、先頭の木浪聖也に対する攻め方は、まさに赤星の真骨頂だった。