完全試合を達成、ロッテ・佐々木朗希の「恐るべき能力」。ジョニー黒木は「1年目のキャンプのキャッチボールで気づいた」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Sankei Visual

 ロッテ・佐々木朗希が4月10日のオリックス戦で、NPB史上16人目、28年ぶりとなる完全試合を達成した。13者連続奪三振の日本記録も更新し、1試合19奪三振も日本タイ記録。まさに球史に残る快投だった。今シーズンの開幕前、ロッテOBである黒木知宏氏が「3年目の佐々木朗希」について次のように語っていたので紹介したい。

史上最年少で完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希(写真右)史上最年少で完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希(写真右)この記事に関連する写真を見る

球速よりボールの質

── 今シーズンの佐々木投手について、黒木さんはキャンプから見られていたと思うのですが、どんな印象を持たれていましたか。

黒木 昨年のシーズン終盤の2、3試合ぐらいは、いい投げ方をしよう、いいボールを投げようというのではなくて、「バッターをねじ伏せてやろう」といった、本能で投げている姿が見えたんです。このピッチングを見て、「やっぱり佐々木朗希ってすごいな」って思えましたし、オフの間もしっかりトレーニングしていたことがキャンプ、オープン戦の投球からも見てとれました。

── 2月中旬の段階で163キロを出したり、今年は仕上がりのよさを感じていました。

黒木 スピードは出ていましたが、キャンプの時点ではシュート回転するなど、ボールの質はそこまでよくありませんでした。ただ、さっきも言いましたが、昨シーズン終盤のボールが本当にすごかった。しっかり指にかかったボールを投げることができればバッターは打てない。そのボールを投げる確率が上がれば、相手チームはそう簡単に点が取れないと思います。

── 昨年のクライマックス・シリーズで、浅村栄斗(楽天)選手から159キロのストレートで見逃しの三振に打ちとったボールが一番よかったと、佐々木投手は言っていました。

黒木 スピードよりもボールの質を求めていると思うんです。投げる姿を見た時に、そこはすごく感じました。質のいいボールを投げることができれば打たれないという自信はあるのでしょうね。

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