20年前、ロッテの開幕12連敗を阻止した清水直行が語る、阪神の現状と「借金返済」のために必要なこと
清水直行インタビュー 前編
セ・リーグのワースト記録を更新する開幕9連敗を喫した阪神だが、4月5日のDeNA戦で西勇輝が完封勝利を飾り、今季初勝利を挙げた。
開幕から9連敗以上は過去にパ・リーグの4球団が記録しているが、直近は2002年にロッテが記録した開幕11連敗。その連敗を先発投手としてストップし、それ以降は長らくロッテのエースとして活躍した清水直行が、当時のロッテと比較しながら阪神の現状と今後の展望を語った。
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――阪神は連敗がストップしたとはいえ、開幕から厳しい状況が続いています。ここまでの戦いをどう見ていますか?
清水直行(以下:清水) チーム防御率(12球団ワーストの5.23/4月5日時点)にも関連していますが、被本塁打がちょっと多いかなという感じがします。先発では藤浪晋太郎がリーグ最多の4本、2番目に多い小川一平が3本。新外国人のカイル・ケラーは抑えとして登板した開幕戦に2本打たれて負け投手になっています。
ただ、打線はヒットが出ていて、ベテランの糸井嘉男も調子がよさそうですね。チーム打率も.237で、スコアを見てもそこまで投手陣を援護できていないわけではなく、ピッチャーが粘り切れていない印象です。2002年のロッテの場合は、開幕当初のチーム打率が1割台でしたし、連敗が止まった12試合目まではまったく打てませんでしたから、ちょっと状況が違うかなと思います。
――ヤクルトとの開幕戦では、中盤まで7点をリードしていながら大逆転負けを喫しました。この試合を勝てていれば、その後の展開は違っていたでしょうか。
清水 まったく違っていたでしょうね。阪神の先発の藤浪は7回3失点でまとめたものの、リリーバーが8回に4失点、9回に3失点というショッキングな負け方でした。それでガックリきたんだと思います。
また、開幕戦では打線が4回までに8点を取りましたが、それ以降は序盤に点を取れない試合が多かった。3月30日の広島戦では久しぶりに5回に先制できたと思ったら、6回にひっくり返されてしまうという悪い流れになっていましたね。
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