ラオウに「鬼ダウンスイング」を授けた根鈴雄次が語る覚醒秘話。中日・根尾昂にも「きっと合う」 (4ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • 撮影●小川正行 photo by Ogawa Masayuki

――ここまでに挙がった名前以外で、今季のNPBで注目している選手はいますか?

根鈴 今年はルーキーがいいな、とひそかに注目しています。特に楽天の安田悠馬選手と、中日のブライト健太選手はスケールの大きさを感じます。あれだけ体を使ってバットを振れるルーキーはやはり楽しみですよ。単純に飛ばす力があり、身体能力も高いですね。近年ではこういうタイプの打者も評価されるようになっている。私は高校野球の打者を見ることもあるんですが、日本の打者のレベルは相対的に上がってきていると感じています。

――今のNPBの選手の中で、鬼ダウンスイング理論がマッチングしそうな選手を挙げるなら?

根鈴 難しいですが、ひとり挙げるとするなら、中日の根尾昂選手ですね。理由は単純で、彼は投げても150キロを記録するし、スキーでも超一流と、身体能力がすごいじゃないですか。ラオウさんのように"ギフテッド"と言える能力が備わっている。

 下からバットを出して縦に振る、という技術は身体的な強さも必要とします。横のスイングよりも、縦のスイングはボールにバットを当てる"面"が広くなるわけですが、その分、最後は力で押し込むような感覚も必要です。トレーニングである程度は向上もしますが、フィジカル的な強さがないとこのスイングには合わない面もある。運動能力が高い根尾選手の縦スイングを見てみたいし、きっと合うだろうな、と感じますよ。

(後編:日本とアメリカの打撃理論の違い>>)

【プロフィール】
根鈴雄次(ねれい・ゆうじ)
1973年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、アメリカでトライアウトを受けてルーキーリーグから3Aまで昇格。計5ヵ国でプレーし、2012年に現役を引退。独立リーグでコーチを務めた後、2014年から野球塾で若手の指導にあたる。2017年に「根鈴道場」を立ち上げた。

■アラボーイベースボール【根鈴道場】
公式HP>> 公式YouTubeチャンネル>>

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